速報！ 中国経済の変調

　力業で党大会まで経済を安定化させようとした習近平が敗北しつつあります。率直に言って、このまま中国経済が無傷のまま年を越すとは思えません。

　このところ中国の通貨である人民元の通貨レートが激変しています。恐ろしいほどのスピードで人民元高から人民元安に転じているのです。それも、わずか数週間の間でです。来月とりわけ重要な共産党第19回大会の前に人民元を安定させようとした政策立案者らの目論見は裏切られつつあります。
　9月25日の午後5時30分現在、人民元は0.5％安の6.6210になりました。上海では9月8日のピークから2.8％に下落しています。これはわずか6日で1.5％上昇したトレンドが急速に逆転しているのです。
　中国の金融市場は国民の休日で来週一杯クローズされるために、10月18日に開催される予定の中国共産党党大会まで僅か2週間を残すばかりになりました。その矢先の出来事だったのです。
　今回の変動のきっかけは、中国の中央銀行である中国人民銀行が先物取引のルールを緩和し、通貨取引を困難にしていた証拠金を引き下げたことでした。そのために、じわじわとドル高に転換しつつあるのです。しかし、今回の先物取引のルール緩和は、中国企業の国際競争力を維持するためのものであったはずです。それが、当局の思惑を越えて人民元が下落することになったというのは皮肉なことですね。