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習近平の外交立て直しが始まる

金正恩が朝鮮半島を統一する日 日本にとって恐怖のシナリオ

 今回のG20で今年前半の国際政治はいったん区切りがつきます。今年の後半は、これまでの流れを前提にしてまた新たな動きが始まります。

 長らく、対応を見せなかった習近平がようやく動きを見せました。

  その一つが、金正恩との会談です。金正恩にしてみれば、何とかアメリカとの交渉を成功させて、経済封鎖を解除したいというのが第一の希望です。しかし、現状のままでは、というか核兵器を維持したままでは、アメリカは譲歩しないことが明白になりました。つまり、今後は無為に時間が過ぎるだけという展開しか残されていません。

 先日、トランプ大統領に送った親書も、「約束を遵守するので攻撃はしないで欲しい」という趣旨の手紙であったと推測されます。アメリカも、無用に北朝鮮で流血の事態を招くことは願っていないので、この北朝鮮からの申し出には表向きは受け入れる姿勢を見せています。

 その前提で、金正恩習近平北朝鮮に招待します。これは、制裁解除に向けて、習近平の助力を得るということが目的であるはずです。しかし、習近平からすれば、既に火の手が上がっている米中貿易交渉を何とか収めたいと考えているでしょう。北朝鮮問題はその意味ではちょっとしたアクセントに過ぎません。しかし、アメリカに対するカードが全くないという現状では、北朝鮮問題の解決とバーターに打開策を探りたいという意向があるのではないでしょうか。

 実際、北朝鮮訪問が決定した直後にG20でのトランプ大統領との拡大会合も決定しています。ですから、事態が動く可能性が出てきています。

 トランプ大統領の側から見れば、議会の公聴会では強硬な対中通商政策に対して批判が相次いでいます。ですから、そろそろディールの時間だと考えていてもおかしくはありません。

 ただ、今回の会談も結局は時間稼ぎにしか過ぎないこともまた明白です。続報を待つこととします。