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身近に迫るサイバー戦の脅威

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 日本ではあまり感じられていませんが、アメリカはロシアのサイバー戦能力を非常に警戒しています。

 「米国の国家安全保障へのサイバー脅威に関する警告灯が「赤く点滅」している。選挙時だけでなく、米国を脅かすデジタル攻撃が毎日行われているというのだ。
 ロシアは最も積極的な外国アクターであるが、サイバー脅威は中国、イラン、北朝鮮だけでなく、犯罪ネットワークや個々のハッカーからも生まれている、とダン・コート国家情報局長は語った。
 ターゲットには、米国企業、連邦政府、軍隊、州と地方自治体、学術機関や金融機関、重要インフラが含まれると同氏は述べた。
 「国土安全保障省とFBIは、国際パートナーと連携して、エネルギー、原子力、水、航空、重要な製造業における政府と企業を対象としたロシアの政府アクターを発見した。
 彼は、今日のサイバー脅威を、9/11までに米国の当局者がテロ攻撃が差し迫っているという警告を発した時の状況と、今日の状況を比較した。
 コーツ氏によると、クレムリンの公式声明に反して、米国の情報当局者は、ロシアのサンクトペテルブルクにあるインターネット調査機関(Internet Research Agency)に所属する個人がアメリカ人に偽装した新しいソーシャルメディアアカウントを作成していることを突き止めている。同氏は、いわゆるインターネットトロールファームであるIRAが、偽のアカウントを使ってアメリカを分裂させる問題に注意を引きつけようとしていると述べた。
 「社会政治な分断を悪化させることを目的とした大問題に焦点をあてるために、ソーシャルメディアを操作し、宣伝を拡散するための積極的な試みが見られている」とコーツ氏は述べる。
 コーツ氏によると、米国は、2016年に発生した特定の州や有権者データベースの選挙干渉のような工作はまだ見られていない。「しかし、キーボードを1クリックだけで同様な状況が再現されることを我々は十分に理解している」と彼は述べた。
 彼は、11月中間選挙を含む、選挙に関連する可能性のある攻撃に焦点を当てられていないことを強調した。 さらに、彼は、1月のニューイングランドでの停電や人々の一生の貯蓄を消滅させる、銀行に対するサイバー攻撃など、重要な米国のインフラストラクチャーに対する激しいサイバー攻撃の可能性について警告した。
 「これらの行動は永続的だ。サイバー攻撃は普及しており、選挙期間であろうとなかろうと、毎日アメリカの民主主義を損なうことになっている」とコーツ氏は述べている。」

Intel official: Cyber threat warnings ‘blinking red’

 文面の通り読めば、ロシアは悪い奴ということになるのですが、フェイスブックなどを通じた中東諸国の政権転覆(『アラブの春』ともいう)の背後にはアメリカの積極的な関与がありました。アメリカが他の国に干渉するのは良くて、自国が干渉されるのはだめというのはアメリカの独善でしかありません。

 「知っているくせになあ」と私個人ならば思います。この記事はミリタリー・タイムズに掲載されていましたが、ペンタゴンのロシアへの警戒心を反映させたものとなっています。

 もうすこしうがった見方をすれば、米ロが歩み寄るときに何かとトラブルが発生するのは、アメリカ国内に、米ロの接近を望まない勢力がいるためではないかと疑ってしまいます。米ロの関係が悪ければ、米中の関係がさらに悪化する可能性は低くなります。背後には中国がいるのではないかといういわゆる陰謀論ですね。

 ただ、トランプ大統領がロシアに接近するのは、中国を標的とするものだとはほぼ確実に言えると思います。中東ではイスラエルとイランの戦争、アジアでは中国と日米同盟軍の対決という図式は、ほぼ固まりつつあります。この図式にのった流れと見るならば、今回の米ロ首脳会談もその延長線上にあることは明らかです。まずは、首脳会談の成果を楽しみにして待つことにしましょう。