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中国経済は今日も絶賛暴落中

世界大恐慌 1929年に何がおこったか (講談社学術文庫)

 中国共産党政府の無理に無理を重ねた景気対策にもかかわらず、聞こえてくるのは不景気な話ばかりです。

  まず、不動産価格の下落です。SCMPによれば、かなり下落しているようです。
 「中国の主要都市での不動産販売は、購入者が景気の減速と住宅ローンの厳しい規制の中で抑制されたため、ここ数年で最悪の「ゴールデンウィーク」の1つとなった
 不動産情報ポータルZhuge.comのデータによると、北京の住宅の売上は、国慶節の祝日の翌週に2014年以来最低レベルに落ちた。
 Centaline Propertyのデータによると、エリア別では、上海の新築住宅の売り上げ面積は86%下落し、5,000平方メートルに、北京では92%下落し、2,000平方メートルであった。
 伝統的に販売のピーク期間であった7日間の休暇は、米国との貿易戦争による国民経済の減速に直面している状態で、大きな投資を追求したがらないバイヤーの興味を引くことはほとんどなかった。銀行が住宅ローンを引き締め、北京が住宅価格を抑制するためのより厳しい措置により、買い手の需要はさらに減退した。
 中国の新築住宅価格は、価格対策が機能するにつれて熱気を失いつつある。ゴールデンウィーク中に北京の主要住宅市場で記録された取引はわずか190件で、2018年から19%減少した。
 中古住宅市場では、売却されたのは41の中古住宅にとどまり、過去5年間で首都で2番目に貧弱なゴールデンウィークの販売実績となった。(以下略)」

‘Golden week’ property sales plunge in major Chinese cities amid slowing economy, tight mortgage conditions | South China Morning Post

 自動車販売も低迷する一方です。

 「中国の9月の自動車販売は過去16カ月で15回目の減少となった。世界最大の中国自動車市場を支える政府の取り組みにもかかわらず、前例のない低迷が続いている。
 全国乗用車市場情報連合会(乗連会)の12日の発表によると、9月のセダンとスポーツタイプ多目的車(SUV)、ミニバン、多目的自動車(MPV)の販売台数は前年同月比6.6%減の181万台だった。ディーラーが在庫一掃のため大きな値引きを提供した6月を除き、2018年半ばから前年割れが続いている。
 中国の自動車市場は、景気鈍化や排ガス規制の厳格化が打撃となり、中央政府は地方政府に消費喚起の措置を講じるよう促している。大気汚染や交通渋滞を減らすために打ち出された自動車購入抑制措置の緩和などが行われているが、これまでのところ効果は限られている。中国自動車工業協会(CAAM)は今年のディーラー向けの販売台数が過去30年間で2回目の減少になると予測している。(以下略)」

 中国自動車販売、記録的な低迷続く-9月も前年割れ - Bloomberg

 マーケットの現状は、一見したところ、リスクオフの側面ばかりが目に入りますが、中国の現状はかなり危険水域に入っていると言わざるを得ません。

 特に、現在の習近平政権は、経済政策に関してはバブルを延長させることしか考えていません。そのために、9月には鉄鉱石の輸入が記録的な水準にまで増大しています。それでも、鉄とセメントで景気を維持しようという無理筋な方針が堅持されている限り、それほど遠くない将来に破綻することでしょう。

 これまでは、中国経済が破綻するという警告も何度も裏切られてきましたが、中国国内の不動産価格の下落は、かなり先行きが危ないことを暗示しています。北京に、上海に、広州に失業者があふれたとき、中国共産党政府はどのような政策を採用するのでしょうか。気になります。