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ボルトン、ポンペオ、馘(くび)か?

日本人の知らないトランプ再選のシナリオ―奇妙な権力基盤を読み解く

 トランプ大統領は、本質的には変わらない人なのかもしれません。

  とにかく、周囲にイエスマンと美人(笑)を置きたがるのは変わりません。それ以上に変わらないのが、できるだけ有権者との公約を守るという点ではないでしょうか。中でも中東からは米軍を撤退させるという公約には敏感なようにも見えます。

ワシントンポスト紙によると、トランプ大統領は、イランの脅威に関して高官らに不満を抱いているとのことだ。強硬派の側近が、アメリカをイランとの戦争に向かわせており、金が掛かる外国での戦争は回避するという公約が破られてしまうというのである。
 何人かの米当局者はポスト紙に、トランプはワシントンとテヘランの間の緊張を緩和する外交的手段を好んでおり、軍と情報機関はイランがペルシャ湾岸におけるアメリカの利益に対する確たる脅威であると考え、緊張を高めているというのだ。
 ポストによると、トランプ氏は特に、国家安全保障顧問のジョン・ボルトン氏と国務長官のマイク・ポンペオ氏にイライラしている。彼らは共にイランに対して攻撃的な姿勢を取っているためだ。
 「彼らは先を見越して逃げ出しており、トランプはいらいらしている」と高官は述べている。 「ボルトンとポンペオと他の人の間で同じ目的に達するまで一騒動あった」
 当局者は、過去にテヘラン政権交代を提唱してきたボルトンは、トランプ氏とは「全く別の場所にいる」と語った。トランプは「イラン人と話をしたい。 「彼は取り引きを望んでおり、彼は取引をしたい」のであって、イラン政府との交渉には前向きである、と当局者は付け加えた。
 トランプ大統領は「体制変換」の議論を快く思っておらず、このような議論は2003年のイラク侵攻に等しいと述べている
 別の関係者は、トランプがテヘランからの「大きな動き」がない限り、イランの挑発に厳しく対応する気はないとポスト紙に語り、トランプ氏はボルトンに不満を抱いているかもしれないが、彼の不満は、以前に大統領がクビにしたティラーソン国務長官ほどではないと付け加えた。
 トランプ氏のボルトン氏に対するフラストレーションの疑いについて尋ねられたとき、国家安全保障会議のスポークスマン、ギャレット・マーキス氏はポスト紙に「その報告は正確に現実を反映していない」と語った。
 この件に関して、国家安全保障理事会はコメントの要求には応答しなかった。
 水曜日には、トランプ大統領は、イランに関する政府内の抗争に関する報道を否定した。
「内紛などはない。さまざまな意見が表明され、私は決定的かつ最終的な決定を下す。これは非常に単純なプロセスだ」とトランプ氏はツイートした。「すべての側面、見解、そして政策が検討されている。イランがすぐに話したいと思うだろう」
 そのツイートは、イランが緊張を強めた場合に、ペンタゴンホワイトハウスに中東に最大12万人の軍隊を派遣する計画を提出したという報道を受けたものだった。
 ワシントンとテヘランの関係はここ数週間でさらに悪化しており、不特定の「厄介でエスカレーションの兆候と警告」に対応して、さらに、イラン軍が小型ボートにミサイルを投射したという新たな報道対応して、米国は米空母襲撃グループをペルシャ湾に派遣している。
 イランのハッサン・ロウハニ大統領はまた、先週、イランが2015年の画期的な核合意を遵守することを制限すると発表した。」

Trump frustrated with advisers over Iran, wants to speak to leaders in Tehran: report | TheHill

 率直に言って、現在の中東情勢は全面戦争の一歩手前です。ホムルズ湾がイラン軍によって封鎖されれば、自動的に戦争に突入することでしょう。ただ、こうした事態はトランプ大統領が望むところではないのでしょう。なんといっても、大統領選を控えて、有権者に約束してきた「対外戦争はしない」という公約が守れなくなってしまうからです。

 とはいえ、イランとの核合意を一方的に停止し、原油輸出に対して制裁を科しているのはトランプ大統領なのですから、イランが対抗措置に出ても仕方がなかったのではないでしょうか。それに加えて、イスラエルへの強力な肩入れも、イランの反発を招いていることは自明でしょう。一体何を怒っているのかという気がします。

 後は、このトランプ政権からの微妙なサインをイランが受け取ることができるかでしょう。もしできれば、全面戦争は回避出来るかもしれません。