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中東からパトリオットミサイルを撤去する米軍

パトリオット・デイ(字幕版)

 第三次世界大戦に向けて米軍の再配備が進んでいます。

  それにしてもパトリオットミサイルの撤去というのは意外でした。

「 ウォールストリートジャーナルによれば、米国防総省は、イランに対抗するという名目で設置した防空システムを中東から引き上げる予定である。
 マティス国防長官は、二基のパトリオットシステムをクウェートから、一基をヨルダンから、そして一基をバーレーンから引き上げるというのである。それはロシアと中国の脅威に対抗するための安全保障上の機構の再整備のためとされている。
 パトリオットミサイルシステムは、ミサイルや飛行機を撃墜できる可動式の装備である。パトリオットは主に、この地域のアメリカの資産並びに同盟国を防衛するという防衛目的のために用いられてきた。
 現地にそのまま残されるものもある。しかし、当局筋によれば、パトリオットの撤去は大きな後退とされている。
 この一件は、焦点をロシアと中国に転換するというペンタゴンンお戦略転換の最も明白な兆候であるが、イランとの言葉の上での争いが激化している中で、公表された。
 火曜日に国務省は、この地域の安定性に対するイランのミサイル能力がもたらす脅威を明らかにしたレポートを公表した。そのレポートによれば、イランは「近隣諸国を脅かす数百のミサイルの備蓄がある」とされている。
 パトリオットミサイルが撤去される三カ国には米軍が駐留している。バーレーンには、ペルシャ湾と中東を担当する米第5艦隊の母港となる海軍基地があり、クウェートにも数千名の米兵が駐留しており、特殊部隊がヨルダンに配備されている。」

Pentagon withdrawing some missile defense systems from Mideast: report | TheHill

 これは来たるべきイランとの戦争で、クウェートバーレーン、ヨルダンにはイランからの攻撃が及ばないと米軍が判断したと言うことでしょう。確かに、クウェートは、イランとの関係が深く、バーレーンは王族がシーア派で、ヨルダンは中立姿勢を保つと見なされているためなのでしょう。

 逆に言えば、イラン以外の敵はもはや中東には存在しなくなった兆候と見なすこともできます。イスラム国がイランへの攻撃を表明した以上、サウジとイランの戦争は不可避でしょう。

 もう一つの論点としては、中国、ロシアとの戦争が近いという見方も可能です。特に中国との対決は経済だけで終わりそうにありません。また、トランプ大統領の意向に関わりなく、ロシアとの関係も悪化しています。今後は戦争の焦点が、混迷する北朝鮮情勢と相まって、東アジアに移ると見られます。