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カタロニア、独立宣言に到らず

 ロイターの報道によれば、裁判所令により、カタロニア州議会が開催できなくなったようです。法的な面からだけでなく、経済の面からも締め付けは厳しくなりそうです。

 

「[バルセロナマドリード 5日 ロイター] - スペイン憲法裁判所は5日、同国北東部カタルーニャ自治州の州議会が週明け9日に予定する本会議召集を差し止める命令を出した。

同裁判所は、反独立派であるカタルーニャ社会党が提出した法的な異議申し立てを検討することに合意したと説明した。

 1日に投開票されたカタルーニャ州の独立を問う住民投票で90%が独立に賛成したことを受け、州議会は9日にも本会議で独立を宣言することを目指していた。

州議会のカルマ・フルカデイ議長はスペイン政府に対し、政治問題への取り組みで裁判所を利用したと非難。州議会が検閲される必要はないと述べた。ただ、議会の指導者らは憲法裁の判断を拒否して会議を招集するかどうかをまだ決定していないという。(中略)

スペインのデギンドス経済相はロイターとのインタビューで、今回の混乱によりカタルーニャは打撃を受けていると主張。「カタルーニャの投資計画全体をまひさせる不透明感を生んでいる。不透明感がなくなるまで、国内外の投資家は誰も新規投資計画に加わらないだろう」と述べた。

カタルーニャの大手企業には、本社の国内移転を検討するところも出ている。国内銀行第5位のバンコ・デ・サバデル(SABE.MC)は5日に緊急会議を開き、本店を南東部バレンシア州アリカンテ県に移すことを決定。関係筋によると第3位のカイシャバンク(CABK.MC)は、6日に法的拠点をカタルーニャから移転させる可能性を協議する予定だ。

 

やっぱり、経済が問題

 そういえばスコットランド独立に関する住民投票の時も、経済がネックになりました。スコットランドとしては北海油田の利益を当てにしていたのですが、独立したら「ポンド」は使えない。「年金」もさあどうなるか。といわれてしまえば、もうおしまいでした。その意味では、スペイン政府よりも、英国政府の方が上手だったとも言えるでしょう。よほど大きな経済的インセンティブがなければ、独立は難しくなってきたといえます。