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カタロニア独立に関して、プッチダモン首相はどう考えているのか。

プッチダモン首相のブログより、彼の考え方を紹介します。

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 10月4日の首相のブログの記述です。

 「我々は決定的に敗北した。2015年9月27日の選挙の結果(独立派が多数を占めた)は独立派の勝利の証とはならないだろう。独立が選挙によってもたらされたことはない。しかし、カタロニアはそれをやってのけた。しかも圧倒的多数でである。同様に正直に分析してみれば、住民の大多数が自らの国家を持つことを望んでいることがわかるだろう。なぜなら、我々は、どのような環境で、どのような条件で、選挙に向かわねばならないかがわかっているためだ。その目録は今は必要ではない。しかし、心にとめておかねばならない。銀行から、EU評議会に到るまで、メディアからヴァレンシア枢機卿までが気にしておかねばならない。将来の研究者にとって多くの興味深い資料がある。彼らは、カタロニアの主権がいかにして損なわれてきたか、にもかかわらず、スペイン政府の目論見はどうして潰えたのかを教えてくれることだろう。資金、決定の範囲、自発的なもしくは強制された共犯、我々は関心を持っている全てのデータがある。それらは独立に向けた運動が起動する際に、抑止することが出来なかった。その一方で、民主主義体制が維持しなければならない信頼性の多くの柱が破壊されたのだ。
 私は言いたい。市民が考慮してきた方針を採用する明確な方法をカタロニアが表明するのを、これら全ては押しとどめることが出来なかったのだ。カタロニアは自治州の地位を勝ち得た。そして、カタロニア市民は、もはや自治州の住民であるとは思っていない。我々は、経済の後のカタロニアに突入したのだ。我々はまだ独立国ではない。我々は独立前の国家だ。しかし、その政治上の地位を正しく規定するという決心を固めている。これは例外的な時間差である。この例外的な状況に一致したスローガンなり政策が必要だ。自治州にとって用いられてきたことは不十分だ。そして、我々が独立国家にとって求めることもまだととのっていない。このタイミングを我々の予想外の事態が起こるきっかけにしないために、我々は、寛大さ、忍耐、準備、賢明さ、それに想像力を必要としている。結局の所、全てを利用すべきなのだ。我々は一人で旅に出ることが出来る。外部の助けなしに。しかし、外部の敵意は存続するだろう。我々は自分の足で立っていくしかないのだ。」

Carles Puigdemont | Bloc de notes i reflexions personals

 以前のエントリーで、歴史問題と並んで経済問題が背景にあることを指摘しておきましたが、この発言を見る限り、もはや取り戻しがつかない地点に来ているという印象を強く持ちます。

 第一パラグラフの末尾の部分で、スペイン政府から相当の妨害工作を受けてきたことを仄めかしています。

 事実上の勝利宣言ではありますが、トーンは暗いですね。これから先、スペイン政府を認めさせることが出来ても、今度はEU政府がカタロニアの独立に徹底して反対することでしょう。ヨーロッパ諸国が掲げる民主主義の内実がいかなるものなのかが、今後世界のメディアを通じて報道されることになります。カタロニアの人々も必死でしょうが、外部の我々からすれば、「やはりEUという実験は失敗だった」と判断せざるを得なくなるでしょう。