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バルセロナは機能を停止、カタルーニャは独立を宣言か

 以前のエントリーでお伝えしたように、スペインだけでなく、EUが危機的な状況にあります。それにしえも日本のメディアはこれほど重大な事件をなぜ報道しないのでしょうか。カタロニアが独立すれば、他にもEU県内で独立の動きが現れるのは必至です。かといってブリュッセルのEU本部が、カタロニアの独立を認めなければ、EUの官僚主義に対する批判が、再び激化することでしょう。

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  BBC日本語版よりお伝えします。(上の写真はスペインのラホイ首相です)
住民投票後初めてインタビューに応じたプッチダモン首相は、自治州政府が「今週末もしくは来週初めにも行動を取る」と述べた。
 一方、スペイン国王のフェリペ6世は3日、国民向けのテレビ演説を行い、住民投票を主導した人々が「法の埒外(らちがい)」に身を置いたと語り、スペインが「非常に深刻」な状況にあるとして、国の団結を呼びかけた。
 警察が住民投票を阻止しようと介入し900人近いけが人が出たことに、カタルーニャ各地で何十万人もの人々が抗議行動に参加した。
 医療当局によると、投票日の衝突では警官33人も負傷している。
 BBCとのインタビューで、スペイン政府が介入し自治州政府を掌握した場合の対応を問われたプッチダモン州首相は、「すべてを変える間違い」になると語った。
プッチダモン州首相は、現時点で中央政府と自治州政府との接触はないと述べた。さらに、欧州委員会が2日の声明で、住民投票をめぐる一連の出来事はスペインの内政問題だと位置づけたことに反論した。
 インタビューは国王のテレビ演説の直前に行われた。
 フェリペ6世は演説で、住民投票を主導したカタルーニャ自治州の指導者たちが「国家の権限を軽視した」とし、「民主主義の原則である法の支配に違反した」と述べた。
国王は「現在、カタルーニャ社会は分裂している」と語り、住民投票が経済的に繁栄する同自治州とスペイン全体の経済を脅かしていると警告したが、スペインは「困難な時期を克服する」と強調もした。
 中央政府住民投票を違法だとしている。
 カタルーニャ自治州では3日に大規模な抗議デモが開かれた。AFP通信はバルセロナ市警の話として、同市だけで70万人が街頭で抗議したと報じたが、中央政府はこれを確認していない。
 バルセロナ市内の50カ所以上で道路が封鎖され、大きな交通渋滞が発生した。地下鉄の運行本数は、ラッシュアワー時には通常の4分の1になり、それ以外の時間帯はゼロになった。
 労働組合によると、バルセロナの港は業務を停止した。
サグラダ・ファミリア大聖堂を含む市内の観光名所も閉館した。
大規模な卸売市場メルカバルナでは、約770の食品関連業者が業務を停止。場内にはひと気がなかった。
 多くの中小企業や商店が営業せず、学校や大学、医療機関も閉鎖されているか、必要最低限の業務のみ行った。
 カタルーニャ労働組合などが、住民投票の最中に「権利と自由の重大な違反」があったとして、ストライキを呼びかけていた。住民投票の際には、一部の警官がゴム弾を発砲し、投票所を襲撃したり、女性たちの髪の毛を引っ張って連行したりする姿が見られた。(以下略)」

 大規模な抗議デモに、道路封鎖、観光名所も閉鎖、教育機関も休校とくれば、ほとんど戦争前のような印象を受けます。

 今後スペイン政府が選択できる選択肢はあまり多くありません。

1.独立を認める

2.徴税権と高度な自治を認めるが、独立には反対する。

3.分離派の活動を徹底して取り締まる。

 スペインは意外と不器用なので、3の選択肢を選んでしまいそうです。ただ、それが先日の住民投票で全世界に暴かれてしまったのですから、強権的な手法はとりにくいでしょう。とすると、2ぐらいがスペイン政府としてぎりぎり許容できる選択肢でしょう。ただ、分離派は分離派で、より一層独立への志向が強まったことも事実です。

 5日(明日)カタロニア政府のプッチダモン首相から独立宣言か、もしくは独立に向けた方向性が示されるでしょう。