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北朝鮮は安保理決議で徹底的に追い詰められる

 月曜日の国連安保理では新たな北朝鮮制裁決議が可決されました。制裁決議の内容も石油の全面的禁輸措置を求めるものではなく、比較的ライトな内容でした。しかし、その背後ではアメリカが中国に強烈な牽制を仕掛けていたようなのです。

 

 その牽制の内容とは、表題にもある通り「中国のドル使用禁止」より正確にはSWIFTのネットワークから中国を遮断するという恫喝でした。中国が新たな北朝鮮制裁決議を遵守しないようならば、ドルを使えなくしてやるというのです。
 火曜日のCNBCの番組で、スティーブン・ムニューシン財務長官が語ったのは、中国は“歴史的な”北朝鮮制裁決議に同意したということでした。「我々は、国連と緊密に協力してきました。決議案が可決され大変うれしく思います。この中には強力な道具立てがあります。いまや道具箱にはより多くの道具があるのです。我々はそれを使い続けるでしょう。そして、北朝鮮がその振る舞いを改めるまで、追加決議を科すことでしょう。」
 それに対してCNBCのアンドリュー・ロス・ソーキンは「我々は中国に釘を刺すことができませんでした。実際の圧力をかけるという点で、このことこそが不確定要因(real mover)でした。この問題については如何お考えですか。何が問題なのですか?」とムニューシン財務長官に問い返しました。
 するとムニューシン財務長官から驚くべき答が返ってきたのです。「中国には絶対的に釘を刺す必要があるとおもいますね。中国が昨日合意した内容は歴史的なものだと思いますよ。私は中国の主要銀行に制裁を科すと言いました。こんなことは初めてなんですよ。もし中国が制裁を守らなければ、我々は中国に追加制裁を科し、から等がアメリカと国際ドルシステムにアクセスできないようにするつもりです。これは極めて意味のあることです。」(気になる方のために原文を掲げておきます)
"I think we have absolutely moved the needle on China. I think what they agreed to yesterday was historic. I'd also say I put sanctions on a major Chinese bank. That's the first time that's ever been done. And if China doesn't follow these sanctions, we will put additional sanctions on them and prevent them from accessing the U.S. and international dollar system. And that's quite meaningful."

 結局のところ、中国以外にも北朝鮮と貿易する国家とは経済関係を絶つということのようですが、党大会を控えた中国が思わず同意したことは想像に難くありません。
 とはいえ、現在のマーケットは非常に危ういバランスの上に成り立っているということを痛感させられたニュースでした。