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北朝鮮に対してNATOはどう対処するのか

 ロイターなんて、というエントリーを立てておきながら、その翌日にはさっそくロイターの記事を使ってエントリーを立てる私が通りますよ(笑)。
 冗談はともかく、今回は北朝鮮情勢とNATOがどう関係するのかを考えてみましょう。 今日取りあげるのは「北朝鮮の「無謀な行為」、世界的な対応必要=NATO事務総長」です。この記事の概要は次の通りです。
「[ロンドン 10日 ロイター] - 北大西洋条約機構NATO)のストルテンベルグ事務総長は10日、北朝鮮の「無謀な行為」に対しては世界的な対応が必要だとの認識を示した。
 事務総長はBBCテレビのインタビューで「北朝鮮の無謀な行為は世界全体への脅威だ。世界的な対応が必要であり、それには当然NATOも含まれる」と語った。
 米領グアムが攻撃された場合、集団的自衛権を定めたNATO条約第5条が適用されるかとの質問に対しては回答を控え、「平和的解決に寄与することに注力している」と述べた。その上で「政治的な解決に向けて引き続き取り組むとともに、経済制裁も継続して行く必要がある」とした。(以下略)」
 この記事の要点は「米領グアムが攻撃された場合、集団的自衛権を定めたNATO条約第5条が適用されるか」という点に尽きます。
 仮に、NATO北朝鮮に反撃しなければ、それ以降アメリカが「集団的自衛権を定めたNATO条約第5条」を遵守するとは、考えにくくなります。アメリカ、特にトランプ大統領は、この第5条をなかなか認めようとはしませんでした。アメリカの歴代大統領としては異例の姿勢であり、内外から大きな批判を浴びていたのはご存知の通りです。
 アメリカがNATO諸国との集団安全保障体制を破棄すれば、ヨーロッパ諸国はすぐさまロシアの軍事的脅威に自力で直面せざるを得なくなります。日本ではあまり報じられていませんが、バルト三国にはロシアとの戦争の可能性を信じる人たちが増えているのです。それは、ポーランドでも同様です。これらの東欧の諸国をドイツやフランス、それにイギリスだけで支えられるはずもありません。つまり、にわかには信じられないことですが、北朝鮮問題をきっかけにして、欧州でも大戦が始まる可能性があるのです。
 ここまで考えれば、最近の英国やフランスが、北朝鮮問題に関して日本と足並みをそろえることを表明している背景がわかるでしょう。すでに、北朝鮮問題はヨーロッパ問題でもあるのです。