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ドイツがサウジに武器輸出停止

サウジ王族等粛清の背後に潜む闇と液状化する中東地域情勢

 今回のカショギ氏の一件はムハンマド皇太子のサウジ改造計画を頓挫させそうな勢いです。

 「 ドイツ政府は、サウジジャーナリストのジャマル・カショギ氏の死亡調査のただなかで、サウジアラビアへの武器輸出を延期した。
 ロイター通信によると、ドイツのピーター・アルトマイヤー経済相は、同国政府は、武器輸出の追加を承認しないと「すぐに合意」し、以前にサウジアラビアとの取引に同意したかどうかを「直ちに」決定すると述べた。
 この決定は、ドイツ首相のアンゲラ・メルケルが、カショギ氏の死後、サウジアラビアへの武器輸出の終了を支持した直後に行われた。
 アルトマイヤー経済相は、他の欧州連合EU)加盟国に同様の行動をとるよう呼びかけ、ドイツの単独行動はメッセージをリヤドに限定すると主張した。
 「すべての欧州諸国が合意すれば、それはリヤドの政府に印象を与え、武器輸出を停止すれば肯定的な結果は得られないが、同時に他の諸国は格差を埋めるだろう」
 サウジアラビアは当初、カショギ氏が消えた後に何が起こったのかを招致していなかった。米国に居住するこのジャーナリストは、10月2日にイスタンブールでサウジ領事館に入るのを最後に姿を消した。
 金曜日、王国は、カショギ氏が死んだ後に逮捕された18人が、間違って彼と争ったと主張したと発表した。
 米国の議員は、説明は信頼できないと主張し、サウジアラビア人はワシントンポストのコラムニストに起こったことの説明を変えたとのべた。上院議員らは、サウジアラビアがカショギ氏の死の帰結にに直面することになるだろうと主張している。
 また、トランプ大統領は、ジャーナリストの殺害で「厳しい」罰を宣言したが、経済的理由から米サウジアラビアの武器取引に触れたくないと繰り返し述べている。」

Germany halts arms sales to Saudi Arabia | TheHill

 トランプ大統領が強硬策を採らないことは已然にお伝えした通りです。ただ、今回のようにドイツが武器輸出を停止したことは、アメリカ国内だけでなく、他のヨーロッパ諸国にも大きな影響力をおよぼすことになります。

 ただ、トルコは移民問題がこじれるまでドイツの事実上の同盟国でした。そして、現在もトルコ移民がドイツにはあふれています。中東のパートナーとしてサウジを選ぶのか、トルコを選ぶのかという選択でもあったと見ることもできます。

 サウジアラビアと米国の関係を維持しているのは優秀な義理の息子のクシュナーですが、今回の砂漠のダボス会議には妻のイヴァンカとともに参加しているようです。そもそもムハンマド皇太子のサウジ近代化計画にトランプ大統領も深く関与していただけに、今回の皇太子によるジャーナリスト殺害は取り返しのつかないダメージを与えることになりました。

 考えたくはないのですが、ムハンマド皇太子が罷免されれば、サウジはもとのワッハーブ派バンザイの原理主義イスラム国家に逆戻りすることになります。原油高も、世界のテロ資金になる事はあきらかでしょう。