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投資適格国からずり落ちるトルコ

 ロシアに接近するのは理解出来るにせよ、トルコ反体制派のギュレン師をトルコ本国に送還せよという一方的な命令は、アメリカが一番嫌うということをエルドアン大統領は知らないのでしょうか。ロシアのような独裁国家であればまだしも民主主義国家に対して自国の要求を好きなだけぶつけることが出来ると考えているエルドアンは愚か者でしょう。むしろ、今回問題になっているのは、トルコと米国の関係が悪化することで、トルコがグローバルなマーケットから閉め出される可能性です。

 

Thehillから引用します。
 「トルコは、イスタンブールの米国領事館で現地の従業員が逮捕された後、米国にビザ停止を延期するよう求めていると伝えられています。
 ロイター通信によると、ビザの一時停止はトルコのリラの価値を低下させました。一方、トルコは米国市民のために独自のビザサービスを中止しました。
 トルコの外務省は、米国外交官にビザの制限を終了するよう要請した際、「不必要な緊張」だと述べています。
 先週、領事館の現地従業員が逮捕された後、トルコの米国大使館は、「すべての非移民ビザサービス」を停止したと発表しました。アンカラ駐在の米国大使館は、テロ容疑で拘留された従業員の逮捕により、「大きな支障があった」と述べています。
 アンカラ駐在米大使館は、「最近の出来事により、米国外交使節の施設と職員の安全へのトルコ政府の関与を再評価せざるを得なくなっている」と述べています。」

Turkey pushes US to end visa suspension: report | TheHill

 米大使館の従業員に逮捕状が出されるのが、これで2度目です。何か具体的な容疑があるのであれば、問題は無いのでしょうが、大使館の従業員を政治犯として逮捕するのは掟破りという印象をぬぐえません。このままでは、トルコはさらに信用を失うことになります。トルコ-イラン-ロシアの枢軸が中東でできあがっています。それに対抗するのがイスラエル-アメリカ-サウジアラビア(他湾岸諸国)という連合です。
 トルコに関しては、現在、ドイツを中心としてEU諸国からも離反してしまっています。ですから、今後は、トルコはイラン-ロシアの悪者組合の一員として生きていくしか他に道がなくなっているのです。現段階で、トルコは投資適格国ではなくなったということでしょう。