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カタロニア独立がEUを崩壊に追い込む

 今回のカタロニアでの住民闘争で、EUとその共通通貨であるユーロの未来はとてつもなく暗いものになりました。英国であれば、スコットランドアイルランド、スペインでも他にバスク地方で独立紛争が行われていることは既によく知られています。
 しかし、今回のカタロニアのように、当局が平和的な住民投票を力尽くで中止に追い込んだという事件は、現在のスペイン政府の統治能力に疑問を投げかけただけでなく、EU圏内での住民の自治という問題にスポットライトを当てることになりました。結局、各地方の言い分が通らないのであれば、これからもカタロニアのような事例は出現することでしょう。問題は、ギリシャだけではなかったのです。
 移民の増加による急速な治安の悪化、失業率が20%を越える慢性的な経済の停滞がヨーロッパの将来を極めて位ものにしています。そこに、各地の独立運動が加われば、EUは単一の政体として維持することが出来るのでしょうか。EUは失敗だったとそろそろ認めても良いのではないでしょうか。

 

 今回はブルームバーグの気になる部分を抜き出してみました。
 「今回の住民投票はラホイ首相の権威をいたく傷つけることになりました。彼はそうならないようにすると固く誓っていたのですが。今回の一件によって、分離主義者の圧力に対抗するために、ラホイ首相は政党の統一戦線を形成することを余儀なくされています。ある潜在的な同盟を汲めるパートナーであるシウダダノス(市民党)は、ラホイ首相に、独立宣言を停止するためにカタロニア自治政府の即時停止を求めています。その一方で最大野党の社会党は、ラホイ首相に、カタロニア州首相を務めるカルラス・プッチダモンと対話するべきだと主張しています。
 少なくとも500名の警察官が、カタロニア州のホテルから追い出されました。警官の労働組合によれば、分離派が圧力をかけたためです。バルセロナ東方のビーチリゾートであるカレーリャ市長は、ホテルの支配人に、警察の使節団をホテルから追い出さなければ報復するといって脅しました。
 カタロニアの社会党指導者の多くは、今回のカタロニアでのスペイン中央政府の直接介入を目にして、支持を取り下げると語っています。街で騒動が起きなくても全面介入はこれでますます難しくなりました。」

Catalans Take to Streets to Push Forward Independence Claim - Bloomberg


 この経緯をみる限りでは、カタロニアが独立に向けて動き出すのはもう時間の問題であるように思えます。すでにスペイン政府は当事者能力を失っており、後はブリュッセルのEU本部がどう対応するかにかかってきたと言えるでしょう。

 

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