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サムソンは大丈夫か 韓国経済の危機(1)

サムソン先生のダジャレ英語学習帳

 トランプ・金正恩首脳会談の可能性で、安全保障の面では緊張が緩和されていますが、韓国には経済という別の問題もあります。

 中央日報から抜粋です。

サムスン電子をめぐる経営環境は過去と比較できないほどに鋭敏で危険になった。第4次産業革命はすべてのものを霧の中に引っ張っていってしまった。将来どんな企業が競争者として登場するのか一寸先も見通すことはできない時代が広がっている。 
  サムスン電子を不安に見つめるほかはないまた別の理由は半導体を除いたモバイル、ディスプレー、テレビ、家電などのような主力事業が少しずつ疲労現象を見せている点だ。該当市場が成熟期に入り込んで成長が停滞している要因もあるだろう。だが先進国であれ新興国であれ消費者家電部門のシェアが少しずつ落ちている点は否めない事実だ。最近はこれといったヒット製品も目に付かない。 
  モバイルも同様だ。先ごろ出したギャラクシーS9に対する市場の反応は前作の70%水準にとどまっている。中国の低価格製品のためだけではない。財布を開きたくなるほど革新的ではないとの話が多い。二重、三重にたためるフレキシブルフォンをすでに開発していてもまだユーザーインターフェイス(UI)すら構築できていないことがサムスン電子の本当の実力ではないだろうか。 
  半導体も確実には見えない。先ごろ40分間の停電で数百億ウォン分のウェハーを屑鉄にしてしまうあきれた事故を起こした。サムスン特有の管理システムはいったいどこへ行ったのか。 
  巨大企業が崩壊する前には長い期間にわたって前兆が現れる。このところサムスン電子周辺から聞こえてくるさまざまな乱脈ぶりがその前兆でないことを願う。」

韓経:【コラム】サムスン電子、危機ではないのか | Joongang Ilbo | 中央日報

 元の記事は韓国経済新聞の記事ですが、半導体を除けば力が落ちているという指摘には説得力があります。韓国のGDPの20%を1社で稼ぎ出す最大財閥がサムスンです。このサムスンが崩壊するとき、韓国経済も崩壊するといえるでしょう。

 そこで思い出されるのが2016年のギャラクシーノート7爆発事件でした。それ以外にも洗濯機の爆発事件などがあり、ブランドのイメージの凋落は止めようもありません。

 現在は好調の半導体が不調になれば、厳しい状況が予想されます。実際、大型家電に関しては、今年の1月にトランプ大統領によるセーフガード措置が発動しています。

このセーフガード調査を要請した米国家電大手ワールプール(本社:ミシガン州)で、サムスン電子LGエレクトロニクスの韓国企業2社が、生産活動の移転により米国のアンチダンピング措置を回避し続けてきたと批判していました。米国政府は、2013年2月に韓国とメキシコからの輸入へのアンチダンピング措置の発動を決定したほか、2017年1月には中国からの輸入に対しても発動しています。ワールプールは、サムスン電子LGエレクトロニクスの2社が韓国とメキシコから中国へ、次に中国からタイとベトナムへと生産拠点を移すことで、米国のアンチダンピング措置を回避してきたと主張しています。

これに対して、サムスン電子LGエレクトロニクスはそれぞれ米国内における洗濯機生産の開始を発表しており、工場立地予定先の連邦議会議員らは両社を擁護していました。

 この流れでは、サムスンもアメリカに工場を建設する必要があるのですが、果たして間に合うのでしょうか。