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一帯一路終了のお知らせ

日本が危ない! 一帯一路の罠 ―マスコミが報道しない中国の世界戦略

いやあ、宮崎先生お元気ですね。それはともかく、一帯一路です。

 一帯一路に関しては、うっかり資金を借りると代わりに軍事基地を作らせろとか、工事が始まったら、労働者は中国人ばかりとか、受け入れ国にほとんどメリットのない話が多いのですよね。そして今回紹介するのはサウスチャイナモーニングポストです。この新聞は意外と中国共産党の本音が出るので注目しています。

「 習近平は先週、壮大な外交政策プロジェクトである一帯一路イニシアチブへの中国のコミットメントを倍加したが、国内の債務増加を背景に、そのような投資の持続可能性について意見が分かれている
 「中国は、政策、規則、基準を[一帯一路イニシアチブ]パートナーとさらに調和させ、インフラ、産業、貿易、科学技術革新、公衆衛生、人と人との交流に関する効果的な協力を深める」と習近平アジア太平洋経済協力Apec)フォーラムへの基調講演で述べた。。
 しかし、世界第2位の経済成長が鈍化し、コロナウイルスパンデミックにより国内の債務負担が増大しているため、中国が今後数年間で国際的な関与、特に一帯一路の資金調達を遅らせる必要があるかどうかという疑問が提起されています
 この野心的な一帯一路計画は、Xiが2013年にカザフスタンを訪れたときに最初に最初に導入されたもので、一連の鉄道、道路を介してアジア、ヨーロッパ、アフリカ大陸の70か国以上を接続しています。そこに海のインフラプロジェクトがくわわって、新しいシルクロードを形成します。北京の目標は、地域のつながりと経済統合を促進し、それによって中国の経済的および政治的影響力を拡大することである。
 アナリストによると、中国は決して資金調達プロジェクトを放棄することはないが、国内のニーズと将来の融資が持続可能であることを確認する動きの両方のために、融資を削減する可能性があるとのことだ。
 一帯一路プロジェクトへの融資と投資の合計額に関する公式の数字はないが、データプロバイダーのRefinitivによると、2020年の第1四半期における、中国が関与するプロジェクトを含む一帯一路プロジェクトの価値は、初めて4兆米ドルを超えている。これらのうち、1.9兆米ドル相当の1,590件のプロジェクトは一帯一路プロジェクトであり、合計2.1兆米ドル相当のその他の1,574件のプロジェクトは中国が関与するプロジェクトとして分類された。
 世界銀行は昨年、2013年から2018年の間に50の開発途上国で約5,000億米ドルが一帯一路プロジェクトに投資されたと推定している。その金額のうち、約3,000億米ドルが公的および公的保証債務によって賄われたと推定されている。
 国際金融協会が発表したレポートによると、中国の非金融社債は、2020年の第3四半期に国内総生産GDP)の165%以上に増加し、昨年の同じ四半期のGDPの150%から増加した。
 債務の伸びは新興国の中で最も高いだけでなく、すでにすべての先進国市場を上回っています。
 中国は、特に新興経済国において、資金調達できるプロジェクトをより選択的にする必要があります。(以下略)」

China debt: Beijing may cut belt and road lending due to domestic pressure, to ensure future of project | South China Morning Post

日本やヨーロッパだけでなく、新興国も今回のコロナ騒動で中国経済圏に大きく助けられている側面があります。いくらでカップリングを叫んでも、背に腹は替えられないと言う要素が一番大きいのだと思います。ですから、中国進出企業を批判しても仕方がありません。中国抜きでやっていく方策を考えないと。

 それ以前に問題なのは、資金が融通されなく成る新興国でしょう。中国側の出方には注目する必要がありますが、このままでは、新興国経済が軒並みダウンするかも知れません。この点には要注意です。