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血しぶきが飛びまくる中南海

仁義なき戦い 頂上作戦

やくざでもここまではしないのでは、というのが今日の中南海ですね。

  王岐山と言えば、ついさいきんまで中国共産党の腐敗撲滅に辣腕を振るった習近平の盟友であったはずです。

 しかし、時間の流れは残酷なものです。いつしか盟友であった二人は相争うようになっていたのです。そのことを物語る第一の事件が任志強の逮捕でした。

「中国の北京市第2中級人民法院(地裁)は22日、中国の著名な企業家で習近平(シー・ジンピン)指導部をくり返し批判してきた任志強氏に収賄罪などで懲役18年、罰金420万元(約6400万円)の判決を言い渡した。任氏は上訴しない意向で、刑は確定する。

任氏は2020年3月、習指導部の新型コロナウイルス対策を批判する文章を発表したのちに当局に拘束された。中国共産党から党籍剥奪処分を受け、起訴されていた。

任氏は習氏と同じく党古参幹部を父にもつ「紅二代」。王岐山(ワン・チーシャン)国家副主席との関係の近さで知られる。党内では「予想以上の厳罰だった」との声がでている。習指導部への批判を一切認めない姿勢が改めて鮮明になったといえそうだ。」

習近平指導部を批判の企業家、懲役18年 収賄罪などで (写真=共同) :日本経済新聞

第二の事件が腹心の逮捕でした。

「 中国共産党は10月2日、王岐山国家副主席の側近だった董宏・前組長(66)を「重大な法律と党規違反」の疑いで調査していると発表した。同氏は、党中央規律検査委員会のトップを務めた王岐山氏の下で、党中央巡視組の責任者として、幹部の汚職行為を摘発していた。
 董氏は、王岐山氏が1998年広東省副省長に赴任した時、同省政府発展研究センターの副主任だった。2000年以降、董氏が王氏の部下として、国務院経済体制改革弁公室、海南省党委員会、北京市政府などで要職を務めた
 王岐山氏が2012年、最高指導部である党中央政治局常務委員に選出され、党中央規律検査委員会書記に起用された後、董宏氏は15年2月から、党中央巡視組の副組長や組長、党中央弁公庁調査研究室5組の組長などを歴任した。王氏が中国各地を視察した際、董氏は常に同行していた。」

同志から敵に?習近平当局、王岐山氏の元側近を「重大違反」で調査

腐敗撲滅のために協力させていた部下が「党規違反」を名目に逮捕されたのですから、穏やかではありません。このまま行けば、王岐山本人の身にも何らかの変動がおとずれるかも知れません。共産党だけでなく、軍の上層部にも切り込んでいた王岐山を処分するとなれば、その反動として習近平のスキャンダルも暴露される可能性があります。

王岐山が処分された段階で、中国共産党内部での権力抗争は新たな段階を迎えるでしょう。これで中国はアメリカと戦争が出来るのでしょうか?