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泥棒に、あなたは泥棒と尋ねる愚かさ

自転車泥棒(字幕版)

 文科省の人材採用のシステムをもう一度チェックしなければなりません。

 「 読者というのは本当にありがたいもので、7月28日付小欄で、「週刊アサヒ芸能」に掲載された「北朝鮮スパイ』リストに『文科省調査官』」という記事を紹介したところ、大きな反響をいただいた。
 文部科学省からも6日、瀧本寛初等中等教育局長からご懇切なFAXが届いた。せっかくなので読者の皆さまにもお知らせしたい。
 ・週刊誌記事の内容が事実であるとの前提で記事を掲載しているが、調査の結果、記事内容は事実であることを確認できなかった。
 ・「風を読む」の中で、当該教科書調査官の「専門的な知識」に関する記述も事実と異なる。
 そのうえで、「そのような記事に依拠した臆測に基づいた報道がなされ、教科書検定の公正性に疑念を生じさせるような記事を掲載したことは、誠に遺憾であり、ここに強く抗議します」と書かれていた。
 文科省が、小欄の「『北朝鮮スパイ』と疑われた人物を調査しなくていいのか」という呼びかけに、さっそく応えてくれたことは多としたい(それがたった2、3日の調査であったとしても)。調査官の疑惑が晴れたのなら結構なことである。ただ、小生が書いた調査官の「専門的な知識」に関する記述も「事実と異なる」とある。これは一大事。もしそうなら、ご本人にも読者にも謝らなければならない。
 ちなみにその箇所は、調査官任用のくだりだと推察される。
 調査官になるためには、准教授以上の経歴か担当科目に関して「高度に専門的な学識及び経験を有すると認められる者」でなければならない。調査官は准教授の経歴はなく、「『専門的な学識』に該当するとすれば、毛沢東を礼賛した本くらいだ」と書いた。
 ご指摘のお礼を申し上げるため、さっそく6日の昼前、局長に電話して「どこが事実と異なるのでしょうか」とお尋ねした。
 答えは「手元に資料がない」だった。深夜になって「礼賛していない。他の論文も採用の参考にした」と電話があった。「では、その論文を見せてほしい」と頼んだが、断られた。これでは「事実と異なる」と判断できませんよ。とりあえずご返信まで。」

【風を読む】文科省局長の抗議に答えます 論説委員長・乾正人 - 産経ニュース

 この乾記者の記事は久しぶりに腹を抱えて笑いました。このやり取りからする限り、文科省は、北朝鮮の影響が疑われる人物は全くOKということなのでしょう。文科省の局長クラスから抗議のファックスが入るぐらいですから、よほどの地震があるのかと思いきや、根拠が全くなかったという痛快な話でした。スパイ防止法もよいですが、組織の海を出せない大臣は無能だと思いますよ、萩生田大臣!

 スパイ防止法の肝はベッティング(身辺調査)ですよ。クリアランスだけじゃダメ、李湯は簡単で、セキュリティ・クリアランスではあくまで形式的な観点からの調査にとどまるからです。ベッティングを行う機関がないのが今の日本の防諜体制の最大の欠点でしょう。