今後訪れる食糧危機

米国ではFDAの規制が強いので、ハンバーガーショップに送られるポテトを一般市場向けに流すことができません。したがって、ハンバーガー向けのポテトは余っているのに、マーケットで売られているポテトは不足気味という奇妙な事態が生じています。それはそれとして、米国での状況は差し迫っています。ひょっとすると吉野家の牛丼が食べられなくなるかも知れません。

 「　会員制量販店のコストコはこのほど、来店客が買える牛肉や豚肉の数を会員1人当たり3つに制限すると発表した。現時点で棚から食肉が消えるような事態にはなっていないが、食肉の販売制限はクローガーやジャイアント・イーグルといった他店にも広がっている。
　背景にあるのが食肉加工工場の相次ぐ閉鎖だ。
　豚肉大手スミスフィールドでは4月、サウスダコタ州にある大型工場で従業員700人以上の集団感染が発生。鶏肉大手タイソン・フーズや穀物メジャーのカーギルなどの工場にも広がり、米疾病対策センター（CDC）によると全米17州の115工場で約5千人が感染し、20人が死亡した。
　肘が触れあうほどの至近距離で流れ作業していた労働環境が集団感染を招いたとみられている。タイソンのジョン・タイソン会長は「食のサプライチェーンは崩壊の危機にある」と警告する。
　半面、植物性材料から肉のような食材を作る新興企業に注目が集まる。ビヨンド・ミートが5日に発表した今年1～3月期の売上高は前年同期の2.4倍に増えた。イーサン・ブラウン最高経営責任者（CEO）は「（植物肉が）消費者の選択肢に入ってくるだろう」と指摘した。
　食品価格は激しく変動している。米農務省によると、家庭で需要が多いハンバーガー用パテ牛肉の流通価格は前年比で3割上昇した。多くの地域で外食ができなくなるなか、たんぱく質を手軽に取れる卵はここ数週間で7割上昇したほか、ビタミンCを補給できるオレンジジュースの先物価格も2割上がった」

新型コロナ:米「食卓」揺らす新型コロナ 肉は販売制限、卵は7割高 （写真=AP） :日本経済新聞

　日本向けの牛肉、豚肉は大丈夫なのでしょうか。気になります。