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最初の山場を迎える米中関係

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 中国共産党に関しては、ある程度は譲歩しても、これから先は譲歩しないというラインが定まったようです。

 「米華字メディアや台湾筋などによると、習指導部は対米関係について「対抗せず、冷戦をせず、ゆっくりと開放を進めるが、核心的利益では譲歩しない」との中国語で21文字の基本方針をまとめた。

 基本方針にある「核心的利益」は台湾や南シナ海チベットなどが該当する。中国はこの問題に手を出されると、かつて西欧列強に侵略された「屈辱の100年」の記憶が呼び起こされ、強く対抗せざるを得ない。米国にはその立場を何度も伝えているが、トランプ氏が守るとの確信を持てないでいる。

 習氏にとっては今後の対米関係は難しいかじ取りとなる。まず、米国を刺激するのを避けるため、周辺国に脅威と受け止められる行動を過去に比べて抑制した。沖縄県尖閣諸島では18年12月、中国公船による領海侵入がゼロとなった。同諸島の国有化後、初めてのことだ。南シナ海でも軍事的に重要なスカボロー礁(中国名・黄岩島)では埋め立てなどを避けている

 一方で、弱腰との批判は避けなくてはならない。核心的利益を守るための軍備増強は加速。国営新華社通信は11月、国産空母2隻目の建造に着手したことを初めて伝えた。大連で建造中の国産初の空母は年内にも就役する見通しだ。信ぴょう性は不明だが、軍に詳しい党関係者の一人は「将来は9隻の空母を保有する案がある」と語った。」

米中、19年のリスクは「台湾と南シナ海」 (グローバルViews)(写真=共同) :日本経済新聞

 軍事的準備は進めるが、経済では譲歩というシナリオが完成したようです。ですから、今後、米中貿易は再び活性化することが期待されますが、かといって5Gの覇権をアメリカ並びにその同盟国に許すわけではないでしょう。

 ですから、今回の通商協議でも完全な合意が成り立つとは考えにくいのです。その証拠に、現在に至っても今回の通商協議の内容は公開されていません。結局、あまりうまくいかなかったのではないでしょうか。もしくは、妥協できない部分があり、公開できなかったと考えるよりほかはありません。少なくとも現在の米中融和のムードは短期的なものにとどまるでしょう。