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シリア撤退はなかったことになるか?

パタリロ! (第1巻) (花とゆめCOMICS)

 パタリロがどれだけ暴れようと、タマネギ軍団が彼をサポートする限り、常春の国マリネラは、無事存続することができます。トランプ政権におけるタマネギ軍団の筆頭に位置するのが、リンゼー・グラム上院議員でしょう。

 「リンゼー・グラム上院議員(R-S.C。)は、ホワイトハウストランプ大統領と個人的な昼食をとった後、米国のシリア戦略について気分が良くなったと述べた。
 「私たちはシリアについて話しました、そしてトランプ大統領は私が知らなかったことを話してくれました。そのおかげで、シリアに関して我々が目指す方向性に関して、はるかに気分が良くなりました」
彼はISIS(イラクとシリアのイスラム国家)を破壊することを約束しました。彼はその約束を守るつもりです」とグラム上院議員は続けた。「我々はまだISISを打倒していません。しかし私が今日言ったように我々は10ヤードラインの中にいる、そして大統領は仕事を終える必要性を理解しています」

 ワシントンにおける大統領の最も近い同志の1人として力を増したグラム議員は、シリアからの撤退の決定に関してトランプ大統領を批判し、今回の昼食という機会を用いて、大統領にシリアからの撤退政策の最高を図るつもりだと述べていた。
 グラム議員は、ISISが完全に敗北したわけではなく、ロシアのような米国の敵対者がその選択から恩恵を受けるだろうと警告して、決定を批判した。
 彼と他の多くの共和党および民主党の議員はシリアからの撤退は地域を不安定にする恐れがあると警告している。
 トランプは彼の決定を擁護した。大統領は当初ISISが敗北したと主張し、後にこの地域を警戒するのは米国の役割ではないと主張した。
 何人かの議員は、米国が最初からシリアで健全な戦略を欠いていたと言って、動きを賞賛していた。」

Graham after meeting with Trump: I feel a lot better about Syria now | TheHill

  シリアからの撤退は、トランプ大統領の本来の主張でした。しかし、その主張が、アメリカの基本的な国益に反する場合には、修正が必要になります。その週制約がグラム上院議員です。グラム議員は常にトランプ大統領の主張を繰り返すわけではなく、今回のシリア撤退のように、アメリカの安全保障にとって「下手な手」を批判しています。今回のトランプ大統領との昼食会では、トランプ大統領の変心を確認したようですから、このグラム議員が実質的なお目付け役といえそうです。

 これで、来年度以降、ロシアとの対決が激化するというかの制覇ますます高くなりました。ベネズエラに基地を設けたロシア、そしてベネズエラとの関係強化を図っているトルコと、ロシアを中心にした反米枢軸が、中国の思惑の届かないところで形成されつつあります。ISISは確かに問題ですが、今後はシリアをどう統治するのか、どう分割するのかに議論が移るはずです。その時改めて米ロの対立は激化することでしょう。