「報復」を計画するロシア
今回のシリアへのミサイル攻撃を単なる「やらせ」のように見るのは危険です。これまでの、アメリカとロシアの関係悪化のプロセスを考えれば、単なる軍事力の示威にとどまらないためです。
「トランプ大統領が新たなロシア制裁を命じた後、ロシア政府はアメリカに対する主要な対応を計画していると発表した。それ以降、両国関係は劇的に悪化している。
4月始め、アメリカは、38名のロシア企業家、高級官僚、それに企業を,世界中で行われている『不法行為(malign activity)』を取り締まる一環として、制裁リストに付け加えた。
現在クレムリンは、トランプ政権に対して反撃するために報復措置を検討していることを確認した。
ロシアの運輸省のマクシム・ソコロフはこのニュースを確認した。
ソコロフは、「私は何も述べない。その点で作業を進めている」と語った。
プーチン大統領による制裁措置への激しい反発は既に予期されていた。そして、潜在的な対応の手段が今週初めにロシア議会に提出された。
その手段には、米国製の医薬とならんで農産物、アルコール、煙草の禁輸が検討されている。
そして、ソコロフの声明は、プーチンの政府が積極的に対応手段を検討していることを直接示している。
ワシントンとモスクワの関係は、英国におけるセルゲイ・スクリパリ暗殺未遂の後、急速に悪化している。
今回の暗殺未遂に関して、クレムリンが主犯であるとする英国の見解を支持し、トランプ大統領は、数十名ものロシア外交官を米国から追放した。
そして、米英仏が14日にシリアの軍事基地を攻撃することで、ロシアとの関係は決定的に悪化した。
軍事行動としては、ダマスカス郊外のバルザー研究開発センターとホムス郊外のヒム・シンシャル化学兵器工場(と米軍が呼んでいる施設)に76発ミサイルが発射された。
今回の攻撃は一週間前にシリア市民に対する毒ガス攻撃が行われたことにたいする報復措置であった。
しかし、シリア政府とロシア政府はそうした事件は起きていないと否定している。
ロシアは、米国の攻撃前に、米国に警告を送っている。プーチン大統領は,今回の空爆に対してどう対応するかをまだ発表していない。」
このように、プーチンは何らかの報復を検討しています。それがどのようなものになるかは現段階では不明ですが、おそらくは、農産物の禁輸といった「ぬるい措置」に留まらないと考えられます。
現段階で可能性が高いのは、限定的な軍事行動、もしくはサイバー攻撃です。月曜日はインターネットのインフラに注目ですね。