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狭まる対北朝鮮包囲網

 現在の北朝鮮をめぐる状況は、1983年当時のソビエトをめぐる状況と酷似しています。当時も、レーガン政権の下で、執拗な軍事演習でロシアを疲弊させ、最終的には共産主義体制を断念させるに至りました。

 ロシアの場合は、1979年のアフガニスタン侵攻が直接のきっかけになっていますが、北朝鮮の場合は核・ミサイル開発が端緒となっています。それこそ、具体的な戦闘は行われませんが、ロシアは、周辺諸国からじわじわと締め付けられていました。

 その締め付けていた国というのが中国です。今度は、北朝鮮金正恩に引導を渡すことになりそうです。

 産経新聞からです。

北朝鮮による11月の新型大陸間弾道ミサイルICBM)発射を受け、国連安全保障理事会は22日午後1時(日本時間23日午前3時)に、米国主導の追加制裁決議案を採決することを決めた。決議案は、北朝鮮への石油精製品輸出を9割近く制限し、貴重な外貨獲得源となってきた海外出稼ぎ労働者を1年以内に北朝鮮へ送還させることが柱。産経新聞が決議案を入手した。

 トランプ米政権は、北朝鮮に核・ミサイル開発を断念させるために最大限の圧力をかけ続けると表明しており、安保理で10回目となる対北制裁決議案の採択を目指す。安保理外交筋によれば、常任理事国の中国は大筋で決議案に合意しているとみられる。

 米国は、北朝鮮への石油精製品の輸出量を年間450万バレル、原油の輸出量を年間400万バレルと試算。9月に採択された決議では、石油精製品は年間200万バレルと上限を規定し、原油は「過去の12カ月の総量」とし現状維持とした。

 今回の決議案では、石油精製品は年間50万バレルに上限を規定し、9月の決議前の総量の約9割の制限につながるとしている。また、原油の年間上限は400万バレルもしくは52万5千トンと具体的に数値化した。

 北朝鮮の海外労働者は、これまで新規の雇用契約を禁止していたが、原則として1年以内への送還を加盟国に命じ厳格化した。

 また、北朝鮮に石油を違法に運搬したり、北朝鮮産の石炭などを密輸したりしていると疑われる貨物船に対して、各国が自国の港や領海で臨検することも義務付けた。さらに、北朝鮮による食料品、農産物、電子機器、土や石、木材、船などの輸出も禁止。人民武力省のほか、北朝鮮の金融関係者ら19人も資産凍結などの対象に追加した。」

【北朝鮮情勢】安保理追加制裁 あす採決へ 石油精製品輸出を約9割削減 出稼ぎ労働者の1年以内送還を厳命(1/2ページ) - 産経ニュース

 このニュースで決定的なのは、中国が合意していることでしょう。これではロシアは強硬に反対できません。そして、臨検が各国の義務とされたことから、北朝鮮はますます追い込まれることになりました。

 習近平にしても、現段階で、トランプ大統領とことを荒立てたくないという姿勢が透けて見えます。北朝鮮金正恩体制もよいよ存亡の危機に追い込まれています。

 後は、金正恩が核を用いるかどうか、に焦点が移動すると見られます。軍事演習はさらに増加する可能性がありますが、アメリカの先制攻撃はまだしばらくはないと考えられます。