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「戦略的忍耐の時代は終わり、極めて特別なことがそこから始まる」と北朝鮮についてトランプ

 トランプ大統領も人間なので、何度も話をしている内に、手の内を自ずと明らかにしてしまうものです。恐らく,今回の北朝鮮危機の解決は既にトランプ大統領の頭の中にあると見るべきでしょう。

 

  まず、CNNの記事を紹介しましょう。

「(CNN) 就任後初めて日本を訪れているトランプ米大統領は6日、安倍晋三首相と日米首脳会談を行ったあと、共同記者会見に臨んだ。その中で核開発を続ける北朝鮮の脅威に言及し、日本国民と団結してこれに立ち向かうと主張。「戦略的忍耐の時代は終わった」として、北朝鮮政府への強硬姿勢を掲げる従来の方針を改めて強調した。

安倍首相は北朝鮮問題への取り組み方について、日本と米国が「完全に見解の一致をみた」と述べ、国際社会に向け、今後は対話を求めるのではなく最大レベルの圧力をかけていく必要があると訴えた。その上で、北朝鮮の団体や個人に対する資産凍結など日本独自の追加制裁を実施する計画を明らかにした。

会見に先立ち、トランプ大統領は日本から北朝鮮に拉致された被害者の家族と面会。会見の場では北朝鮮金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長に対して、拉致被害者を解放するよう強く要請し、「被害者を帰国させることが何かのきっかけになると思う。極めて特別なことがそこから始まる」と語った

一方で北朝鮮国民に関する質問には「素晴らしい人々だと思う。今は非常に抑圧的な体制の下に置かれているが、最終的にはすべて解決できると信じている。誰にとっても良い結果が訪れるだろう」と述べた。

さらに北朝鮮の発射するミサイルが日本の領土の上空を通過していることについて、「米国から大量の軍装備品を購入すれば迎撃できるだろう」とコメント。日本が自国の防衛を強化することに前向きな考えを示した。

これを受け安倍首相は、防衛力強化の必要性に同意しつつ、日本政府はすでに米国から多くの軍装備品を購入していると発言。日米の連携にもとづいてミサイル防衛を行うとしたうえで、「迎撃の必要があるものについては迎撃する」と付け加えた。

トランプ大統領は日本での日程を終えた後、韓国、中国、ベトナム、フィリピンの各国を歴訪する予定。」

CNN.co.jp : トランプ氏、「忍耐の時代終わった」 北朝鮮問題で

 多くの人が誤解していると思うのですが、「戦略的忍耐の時代」の終わりとは、何も戦争を意味するわけではないのです。むしろそれ以外の方法を,トランプ政権は懸命に模索しているのです。確かに、このまま北朝鮮が核開発を続ければ、後1年後には本格的な戦争準備が始まるでしょう。米国本土が攻撃のレンジに入るのですから仕方がありません。しかし、僅かとは言えまだ少し余裕があります。その間に、金正恩体制をどう揺さぶるのかが問題になるのです。

 そこで、今回のトランプ発言をみると、興味深い文言が並びます。「被害者を帰国させることが何かのきっかけになると思う。極めて特別なことがそこから始まる」というのは、米朝交渉の条件を提示しているようにも見えます。

 また、「素晴らしい人々だと思う」という一般の北朝鮮国民に対する高い評価にも注目するべきでしょう。この表現には金正恩と一般の北朝鮮国民は別の存在という発想が含まれています。つまりこの2者は分離可能ということです。

 ここから推定されるのは、

1.金正恩にまず、日本人拉致被害者を解放させ,そこから交渉を進める。

2.北朝鮮から金正恩を切り離す。

という二つの方向性です。

 おそらくは、トランプ大統領は、軍事力を行使することなく問題解決できそうだと感じ始めているのではないでしょうか。

おそらくは、2.が本筋だと考えられます。

その意味では、次のエントリーも参考にしてください。

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