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中国共産党は人事の季節

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 アメリカでは、トランプ大統領が苦境に立たされています。英国では総選挙。これで評判の悪かった英国下院の議員も一掃されることでしょう。そして、中国共産党も人事の季節です。

  「中国共産党の重要会議である第19期中央委員会第4回全体会議(4中全会)が28日、開幕した。会議は31日まで4日間の日程で「中国の特色ある社会主義制度や国家統治の体系と能力」を議題に党内統治の強化を議論する。党最高指導部である政治局常務委員(7人)の増員など重要人事の有無にも関心が集まっている。
 中国国営の新華社が伝えた。今回は習指導部が発足して以来、国内外に課題を多く抱える状況での開催になる。米中貿易戦争は10月の閣僚協議で進展があったが、中国が求める追加関税の撤廃は実現していない。混乱が続く香港の抗議活動も収束が見通せない状況だ。
 18年2月に開いた3中全会から1年8カ月ぶりの開催になる。これほど長期間開かれなかったのは鄧小平氏が改革開放路線を打ち出して以来、初めて。「党内の意見集約が遅れ、開催が遅くなった」との指摘がある。
 中央委員会は共産党の最高指導機関。党規約で年1回以上の全体会議の開催を義務づける。5年に1度の党大会に代わり党の重要事項を決める。
 重要人事が動きやすいことから「人事の4中全会」といわれる。04年の4中全会では江沢民(ジアン・ズォーミン)氏が中央軍事委員会主席を辞任し、胡錦濤(フー・ジンタオ)国家主席(当時)が就任した。
 香港紙・明報は党トップ25の政治局委員である陳敏爾・重慶市書記と胡春華(フー・チュンホア)副首相の2人が4中全会で常務委員に昇格するとの観測を伝えた。常務委員が7人から9人に増えるとの見立てだ。別の中国関連メディアは陳氏のみの昇格の見方を伝えるなど臆測が飛び交っている。両氏とも1960年代生まれでポスト習近平(シー・ジンピン)世代に位置づけられる。」

重要会議「4中全会」が開幕 中国、党内統治を議論 (写真=ロイター) :日本経済新聞

 この記事にもあるように、中国共産党中央委員全体会議は、年に一度、国家の方針を議論し決定する場なのですが、1年8ヵ月も開催されていませんでした。この記事では政策の調整に時間が掛かったからとされていますが、開催できなかった最大の理由はトランプ政権の強硬な対中政策にあります。とにかく、トランプ前とトランプ後では中国の置かれている国際的な環境は全く異なるのです。

 ですから、基本的な政策に関しては現在も混乱が続いていると見るべきでしょう。ただ、時期の人事はそろそろ検討しなければ成りません。それが、今回の4中全会の意味であると言えます。

 率直に言って、習近平が3期目も就任できるかどうかは微妙な状況でしょう。わざわざ法改正までして、3期目以降も可能にしたのですが、対米関係の失敗、一帯一路政策の頓挫、国内経済の低迷と褒められるところがほとんどありません。敢えて挙げれば、南シナ海の軍事化を進めたことですが、これすらもアメリカなどの「航海の自由作戦」により半ば無力化されています。ですから、習近平の3期目は可能性が小さいのです。

 しかし、その反面、強大な軍事力を背景にした強硬派も台頭しているでしょうから、習近平以上の好戦的な政権が成立すると考えられます。