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シリア問題で発言権を失くしたアメリカ

 同盟国を切り捨てるのは、やはりおかしいと共和党上院議員も考えています。現在のところ、弾劾に賛成するところまではいかないのでしょうが、異論が渦巻いています。

  「トルコ軍がシリア北東部で展開する軍事作戦に対し、シリアのクルド人勢力は13日、アサド政権軍と対トルコで協力することで合意したと発表した。シリア国営通信によると、政権軍は北部のトルコ国境沿いへ進軍した。政権軍の関与で、シリア情勢は一段と混迷を深めそうだ。
 ロイター通信によると、クルド人主体の武装勢力シリア民主軍(SDF)」とアサド政権軍の協議はシリア北西部ラタキアのロシア軍基地で行われたロシアはアサド政権の後ろ盾で、トルコ、SDF、政権側3者の仲介役を買って出る可能性がある。
 首都ダマスカスに拠点を置くアサド政権はシリア内戦で主要地域での戦闘に注力するため、2012年に北東部から撤退し、SDFなどに同地域を明け渡す格好になった。SDFとは距離を置きつつ、時として接近していた。
 一方、これまでSDFと協力関係にあった米国は12日、トルコ軍の侵攻からの安全確保のため、シリア北東部に駐留する米兵1000人に撤収指示を出した。シリア自体から撤収するかどうかは明らかにしていない。
 9日に軍事作戦を開始したトルコ軍はこれまでに、国境沿いの要衝であるテルアビヤド、ラス・アルアインを制圧したとしている。国連によると、13万人以上が避難を余儀なくされている。」

 シリア政権軍、トルコ国境へ クルド人勢力と協力 (写真=ロイター) :日本経済新聞

 このままでは、ロシアにシリアを明け渡すことになりそうです。確かに、大統領選もあり、選挙公約として中東からの撤兵を唱えていた以上、選挙前に撤兵させる必要があったのかもしれませんが、結果としてシリアからアメリカの勢力が消滅するだけの結果に終わり、意味のない決定であったと今後も判断されることでしょう。おそらく今後数年は、中東におけるアメリカの信用は下がりまくりになると予想できます。

 NAFTAの再交渉にしても、まだ議会では可決されておらず、日本との貿易交渉でもTPP水準は達成できず、外交は厳しいというのが、トランプ政権第1期目の評価ではないでしょうか。