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まとまりかけているBrexit

ブレグジット・パラドクス: 欧州統合のゆくえ

 ようやくですよね。長く待たされた気がします。

 「 英国の離脱問題を巡り欧州連合(EU)の首席交渉官を務めるミシェル・バルニエ氏は11日、詳細な離脱交渉入りに向けEU加盟各国に承認を求めた。前日の英・アイルランド首脳会談では離脱条件の合意に「道筋」が見えるとの点で両者が一致していた。
 首脳会談で生まれた楽観に続き、バルニエ氏と英国のバークレイEU離脱担当相が11日の朝に会談。事情に詳しい関係者2人によるとバルニエ氏はこの会談後、法的文書の草案作成作業に入るための十分な進展があったと、EU27カ国の代表に説明した。加盟各国が承認すれば、英国のジョンソン政権誕生以降で初めて、合意案について詳細な交渉に入る
 この報道を受けてポンドは急伸し、一時1.9%高の1.2685ドル。ロンドン株式市場ではロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)やロイズ・バンキング・グループが10%余り上昇するなど、英銀行株は大幅高となっている。
 事態進展に当たり、どのような譲歩が提案されたのかは不明。ジョンソン首相がEU関税同盟から英領北アイルランドを離脱させるという主張を取り下げ、いわゆる関税パートナーシップを提案した可能性や、北アイルランド議会に地位の決定権を付与するとした案を後退させた可能性がある。
 ジョンソン首相がこれまでの主張を変更しようとすれば、北アイルランドの政党、民主統一党DUP)の反対に遭う可能性がある。DUPは今のところコメントしていない。議会で過半数を持たない同首相は、法案通過にDUPの支持を必要としている。英政府関係者が11日述べたところによると、首相はすでにDUPのフォスター党首に対し、離脱提案について説明した。」

英EU離脱交渉が山場へ、バルニエ氏は事態に進展あったと示唆 - Bloomberg

 最後まで交渉の障害になっていたのが、北アイルランド問題でした。英国側としては北アイルランドブリテン島本土の間に税関を設けたくはない。そして、アイルランドは、北アイルランドとの間に国境は設定したくないという意地の張り合いがここまで交渉が長引いた最大の原因でした。

 EUも英国政府もようやく交渉の第一段階に入れたわけですが、やはり、北アイルランドDUPの動向をカバーしているわけではありません。ですから、一見うまくいくように見えて、土壇場で覆るという可能性も捨てきれません。