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コメルツ銀行の苦境

21世紀のドイツ-政治・経済・社会からみた過去・現在・未来-

 ドイツと言えば、ドイツ銀行ですが、コメルツ銀行も大変なことになっています。

  とにかく、リストラしか対応策がないのです。
ドイツのコメルツ銀行は新たな戦略計画の一環として4300人を削減する計画だ。新たな戦略では、リスク低減と資本確保に向け、傘下に置くポーランドのMバンク部門の持ち分売却も想定している。
 コメルツ銀は20日、グループ全体でのさらなる人員削減について「残念だが、不可欠」だと説明した。同行は今年、ドイツ銀行との合併協議が破談に終わっていた。Mバンクの売却により、リスク加重資産は約170億ユーロ(約2兆円)減少するという。
 マルティン・ツィールケ最高経営責任者(CEO)は景気鈍化と一段の金利低下見通しに対処する中、コスト削減を強化している。CEOは2020年末までを対象期間とした現在の再建計画を打ち出したが、目標の多くを諦めざるを得なかった。当初の計画では7300人の削減を目指していたが、今年になって削減目標を5300人未満に修正した。」 

コメルツ銀行:4300人削減を計画、資産売却も想定-新たな戦略の一環 - Bloomberg

 それに加えて、業績悪化の見通しです。 
 「ドイツのコメルツ銀行マルティン・ツィールケ最高経営責任者(CEO)は27日、銀行が「計り知れない」試練に直面していると述べたコメルツ銀行は26日に今年の収入見通しを下方修正し、基調的な収入の増加は見込めなくなったと表明していた。
 監査役会は前日、先週打ち出した抜本的な経営見直し計画を承認。ドイツ銀行との統合話が破談となったことを受け、数千人規模の人員削減を実施し、5分の1の店舗を閉鎖する。
 ツィールケCEOは「マイナス金利や規制強化、景気減速、競争激化など、銀行が直面している試練は計り知れない」と語った。
 前日、退任が発表されたエンゲルス最高財務責任者(CFO)は、欧州中央銀行(ECB)の直近の金融緩和は「われわれの生活を楽にすることはない」とし、マイナス金利の銀行への影響を緩和する措置も効果は不十分との見方を示した。
 コメルツ銀は前日、最高財務責任者(CFO)がシュテファン・エンゲルス氏からベティナ・オルロップ氏に交代し、サビン・シュミットロス氏が人事担当として役員に加わる人事を発表した。
 収入見通しを下方修正した理由として「今年は市場環境が一段と悪化し続けている。特に法人取引ではそれが顕著だ」と説明した。」

コメルツ銀、見通し悪化でリストラ CEO「銀行に計り知れない試練」 - ロイター

 マイナス金利の問題は深刻で、このままでは金融機関が干上がってしまいます。以前も紹介しましたが、ある程度信用力のある企業であれば、マイナス金利の債権を発行するだけで収入になる事態となっています。これはどこかおかしいのであって、このままではどこかで行き詰まってしまいます。中国のデフォルトという起爆剤が爆発すれば、ドイツ金融業界は壊滅することでしょう。そして、それはそれほど先のことではないのです。