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トルコのアメリカへの接近はトルコリラの急上昇をもたらすか?

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 エルドアン大統領は、対米関係の改善に強い意欲を持っているようです。首脳会談も行うようですし、うるさ型のボルトンも消えたことですし、話がまとまればリラ暴騰もあり得ないはなしではありません。しかし、世の中には「独り相撲」という表現もありますので・・・。

 「 トランプ大統領とトルコのエルドアン大統領は、米国のパトリオットミサイルの売却の可能性について議論するために今月後半に会談する予定だとエルドアン大統領は述べた。
 金曜日に公開されたロイターによるインタビューで、エルドアン大統領は、トランプとの緊密な関係は、7月のNATO同盟国がロシア製S-400の引き渡しを受けた後の緊張を修復できると語った。アメリカ当局は、このシステムがアメリカ製のF-35戦闘機の情報収集に使用されることを懸念している。トルコはF35を購入する予定であったが、その後その購入は禁止された。
 国務省は、問題を回避するためにレイセオン製のパトリオットミサイル防衛システムをアンカラに売却することを望んでいたが、そのような契約はそれ以降失効した。
 エルドアン大統領は、2週間前に電話でパトリオットの買収について話し合ったと述べ、2人は来週から国連総会で会うときに取引についてさらに話し合うと述べた。
 「私たちがどんなS-400のパッケージを入手しても、私たちはアメリカから一定量パトリオットミサイルを買えると言った」とエルドアンはロイターに語った。 「しかし、少なくともS-400に一致する条件を見なければならないと言いました。」
 「トランプ大統領は、「あなたは本気か?」といった。それに対し私は「はい」と答えた」とエルドアンは語った。
 トルコの当局者は過去に、米国がシステムの極秘のミサイル技術供与を含む取引を受け入れるならば、S-400を断念して、パトリオットを購入する意志があると述べた。しかし、ワシントンはそのような要求に応じていないため、トルコはそれを拒否しました。
 S-400の売却により、トランプ政権はトルコのF-35プログラムへの参加を終了させた。トルコは、このプログラムに参加している9つのパートナー国の1つであり、最終的には少なくとも100機の高度なステルス機を購入する予定であった。
 また、ロシアとの取引は、ロシアの軍事装備を購入する米国のパートナーを罰する議会制裁である制裁措置による米国の敵対行為に対抗する一環として、トルコに対する米国制裁の見通しを高めた。
 国務省の政治軍事問題担当次官補であるR.クラーク・クーパーによれば、政権はまだこれらの制裁を課すかどうかは決定中である。
 「トルコは制裁の森を抜けたわけではない。まだ制裁は機能している」と、クーパーは木曜日に記者団に語った。
 エルドアン大統領は、両国はさらなる制裁の「間違い」を回避でき、彼とトランプの間の「異なる種類の信頼」を指摘できると確信したと述べた。
 「私の意見では、アメリカのような国は同盟国のトルコをこれ以上傷つけたくないでしょう。これは合理的な行動ではない」と彼は言った。」

Erdogan says he and Trump will discuss sale of US missile system | TheHill

 これを見る限りでは、トランプ大統領は、トルコのエルドアン大統領との首脳会談開催には合意しているものの、それ以上のパトリオットピサいるの購入にまで話が進むかは全く不明です。むしろ、国防総省の次官補が制裁は継続すると述べていることから、パトリオット購入にまでは話は進まないでしょう。ましてやF35の話が復活することはないと思われます。

 むしろ、トランプ大統領との間でまとまる可能性が高いのが、シリアに関する情勢でしょう。そして、トルコ国内の空軍基地の米軍の使用をもうしばらく確保するぐらいで話がまとまるのではないでしょうか。

 その意味では、トルコリラの急上昇は難しいという結論になります。

 このままトルコリラが暴落すれば、トルコはかなり危ない状況になります。それを避けるために、アメリカに急接近しているとしか思えません。とすると、トルコリラは売りということになりますね。儲かるかどうかはわかりませんが(笑)。