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今年の北載河会議からわかる驚くべき事実

中国共産党 闇の中の決戦

 昨年のとげとげしい雰囲気とは全く異なったようです。

  とあるチャイナウオッチャーの方に伺ったのですが、昨年は、実は習近平の更迭が計画されていました。その際に、習近平に代わってトップに立つ予定だったのが、汪洋でした。しかし、汪洋はいざというときに怖じ気づいてしまったのです。ですから、政権交代とは成りませんでした。しかし、汪洋が実力者であることには変わりはなく、彼がウイグル問題の処理を行っているところです。実際、彼がウイグル問題を担当するようになってから、一部のウイグル人強制収容所から解放されたという情報が入っています。

 昨年との違いでいえば、今年は王滬寧が復権したことが注目点です。

例えば、今年7月17日には北京で世界中に派遣されている中国大使を集めた会議が開催されたのですが、その際に、ちゃっかり、習近平の右隣で記念撮影に移っています。その右隣が,中国外交の事実上のトップである楊潔篪ですから、習近平からは相当信頼されているとみて良いでしょう。(写真は新華社です)

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 昨年は一路一帯政策の破綻や、アメリカとの対立の開始により、ほとんど失脚寸前だったのですが、このように無事復権しました。まあ、アメリカが本気で中国を潰しに来ているのだから、王滬寧に問題はなかったという評価が定着したのでしょう。イデオロギー的にも習近とも近い王滬寧は今となっては政権運営に欠かせない存在となっています。

 一言で言えば、習近平の3期目はなし、そしてその後継者は汪洋か王滬寧ということになりそうです。

 以上の事を念頭に置いて、今年の北載河の様子を見れば興味深いことがわかります。

「 今回の北載河会議のテーマとなったのは、「癒やし」であった。
 米中貿易戦争と香港問題によって、今や習近平はぼろぼろな状態だ。
 今回の北載河会議では、香港問題は主要なテーマになった。長老らは今回の香港の騒動を、建国70年目の試練であると考えている。いかなる内部の声も、「妥協」とか「不忠誠」とは見なされていない。しかし、国慶節(10月1日)にまで「徹底解決」が厳命された。解決の方式としては、一旦香港の状態を混乱させて、それから「介入」というものになる。それから、民族的情緒をかき立てるというのである。
 「江沢民が欠席、胡錦濤時代の長老が、内外の問題で習近平の相談に乗った。そうすることで習近平のキズを癒やしたのだ」
 「もちろん、今回の治療の効果はすぐには現れない。中国共産党の病気もすぐには解消しない。」と関係者は語っている。(抄訳です)」

https://bowenpress.com/news/bowen_210342.html

 江沢民が出席していなかったことはご愛敬としても、共青団胡錦濤に連なる長老が習近平にアドバイスを行ったということは、事実上中国共産党がなにはともあれ一枚岩にまとまったということを意味します。

 ここに画かれている通りならば、9月には香港問題もクライマックスを迎えそうな状況です。