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イスラエルはいつでもやる気!

【マンガでオペラ5】さまよえるオランダ人

 中東の緊張が高まるにつれ、イスラエルだけは意気軒昂です。

 「イスラエルは米国とイランの間の緊張がエスカレートし続けていることもあり、湾岸地域で起こりうるあらゆる軍事衝突に潜在的に介入する準備をしている、とイスラエルのトップの関係者は火曜日に述べた。
 イスラエル外務大臣は、「(イラン)政権による誤った計算が、「グレイゾーン」から「レッドゾーン」へのシフトを引き起こす可能性があることを考慮に入れるべきだ」と述べた。ロイター通信によると、イスラエルカッツ氏は会議でのスピーチの中でこのようにのべたとのことだ。
 「我々はこの事態に備えなければならない、そしてそれ故にイスラエルは、エスカレーションシナリオに対応しなければならないであろうイベントに備えて軍事力を構築するのに専念し続けている」と彼は付け加えた。
 しかし、カッツ氏は火曜日のイスラエル軍ラジオとの別のインタビューで、テヘランに対するワシントンの経済的圧力が物理的衝突を防ぐことができると考えていると述べた。
 「イランはこの戦争では勝てる見込みがない」と彼は言った。「それゆえ、厳しい経済的圧力と包括的な制裁を通して、戦争を防ぎ、戦争を回避するという目的を達成する可能性がある
 テヘランの2015年多国籍原子力協定への遵守を監視する国際機関は、今週、テヘランの最初の侵害であると信じられているオバマ時代の条約の下でイランが備蓄できるウランの量を超過したことを確認した 。
 2018年に原子力協定を撤回したトランプ大統領は、月曜日のオーバルオフィスでの法案調印の中で、「彼らは自分たちが何をしているかがわかっている」と述べた。「彼らは自分たちが何をもてあそんでいるのかを知っている。彼らは火遊びをしているのだ」
 トランプ政権は、核取引から撤退して以来、イランに対して多数の制裁を課してきた。その制裁対象には、テヘランの石油部門、貴金属部門、そして最高指導者のアヤトラ・アリ・ハメネイやその他の高官が含まれている
 しかし、イランが無人の米国の監視ドローンを撃墜し、オマーン湾で石油タンカーを爆撃したとして非難された後、軍事紛争の可能性はここ数週間で高まったようにみえる。

 トランプ氏は、150人ものイラン人が殺害される可能性があることを知った後、無人撃墜に対する報復的なストライキを中止したと述べた。」

Israel preparing for possible 'military conflagration' with Iran, official says | TheHill

 現在のところ、イランの置かれた状況は危機的であると言えます。これまでシリア内戦を通じて協力関係にあったロシアとは疎遠になり、アメリカからは制裁が強化され、サウジを筆頭とする湾岸諸国との関係も最悪です。特に、イエメンでのイランをバックにするフーシー派とサウジの武力紛争は、多くの被害者を出しています。しかし、アメリカがサウジをバックアップするのでこの悲劇は終わりそうにありません。

 そして、今回の記事からもわかるように、経済封鎖でイランを締め上げれば、イランの核開発を抑止できるというイスラエルの計画に従ってアメリカが動いていたのです。

 しかし、イランはこれで納得するのでしょうか。そして、二国家併存という原則がくずれつつあるパレスチナはどうでしょうか。やる気を出せば出すほど空回りをするという可能性をイスラエルは考えないのでしょうか?その可能性がわからなければ、ユダヤ人がイスラエルに住めなくなることもあるかと思います。その時は、オランダ人のように世界を再びさまようことでしょう。