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通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のプーチン大統領は好きですか?

通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか? (1) (角川コミックス・エース)

 プーチンはお母さんではありませんが、まさにプーチンの全面攻勢が始まっています。

  まず焦点になるのは、イラン周辺でのドローンの撃墜です。この件に関してはイラン政府が次のような動画を公開しています。

  イラン側の発表によれば、米軍のドローンを撃墜したKhordad 3ミサイルは、イランが設計したものであり、2014年に初めて発表されたものです。
 強力なフェイズドアレイレーダーを装備したこのシステムは、同時に最大4つのターゲットと交戦し、合計8つのミサイルを発射することができるとされます。
 システムは50から75キロメートルの間の射程範囲を持ち、高度が25から30キロメートルほどの高度にある空中目標を迎撃することができます。
 イランは最近制裁と西側の経済的圧力に直面しているにもかかわらず、その防衛部門で大きな進歩を遂げ、軍用機器とハードウェアの製造において自給自足を達成したということなのですが、これだけのものをイランが独自に開発した可能性はほぼゼロでしょう。 それでは、開発元はといえば、現段階ではロシアしか考えられません。つまり、ロシアは、アメリカがイランを攻撃するなら、ロシアはイランを防衛することを表明した攻撃であったと言えます。

 習近平への働きかけも成功しています。

(今年の6月)5日にモスクワ入りした習主席は、首脳会談後の記者会見で、プーチン大統領とは「深い個人的な友情」があると述べた
 「過去6年間、我々は30回近く会談を行なってきた。ロシアは私がこれまでで最も多く訪れている国だ。プーチン大統領は私の親友であり同僚でもある」
 プーチン大統領は、「ロシアと中国の関係はかつてないほどの段階にまで達しているということをお知らせできて嬉しい。これは、国際的パートナーシップであり、戦略的な協力関係だ」と述べた。
 中国とロシアの同盟関係は、両国がヨーロッパやとりわけアメリカから疎外されていると感じていることから、強固なものとなっている。」

習主席、プーチン大統領は「親友」 友好関係をアピール - BBCニュース

 習近平もここまで外交上で孤立した経験はなかったはずで、アメリカにこびるわ、プーチンにでれるわで忙しいのですが、そうした中国の孤立をすかさず利用していることがわかります。

 とどめは昨日の領空侵犯事件です。

 「防衛省20日、ロシアの爆撃機が同日午前、沖縄県南大東島と東京都・八丈島付近で領空侵犯したと発表した。航空自衛隊の戦闘機が緊急発進(スクランブル)して対応。危険な行為はなかったという。同省は、ロシアの意図を詳しく分析している。

 防衛省によると、爆撃機2機が南大東島付近で日本の領空に入った後、太平洋側を北上。うち1機が八丈島付近で再び領空侵犯した。」

ロシア爆撃機、沖縄と八丈島で領空侵犯 - 産経ニュース

 これは3年ぶりの領空侵犯で、日本列島周辺を周回するものだったようです。園井とは、分析をするまでもなく明らかで、「平和条約を結ぶか、中国とロシアと戦う意思を固めよ」と安倍首相を恫喝しているのです。安倍首相としても、北方領土を断念することはできないので、平和条約の締結は断念せざる得ないでしょう。ですから、ロシアからのこの種の圧力は増大すると見ておいて良さそうです。

 この全面攻勢にあてられたのが、トランプ大統領でしょう。

「 トランプ米大統領は21日、イランの精鋭部隊「革命防衛隊」による米国の無人偵察機撃墜への報復として、20日夜にイランに対する軍事攻撃を準備したが、実行の10分前に中止を命じたツイッターで明らかにした。トランプ氏は、人的被害が出るため「無人機(撃墜)と釣り合わない」と説明した。
 ツイッターによると、攻撃計画では3つの目標を選定。犠牲者数の見込みについて「将官から150人との返答があった」とした。トランプ氏は「私は急いでいない。米軍は出動の準備ができている。イランは決して核兵器を持つことはできない」と警告し、なお軍事攻撃の可能性があることを示唆した。」

トランプ氏、イラン攻撃を10分前に中止 ツイッターで明らかに - 産経ニュース

 「無人機と釣り合わない」というのは確かでしょうが、イランとの戦争が始まれば、自動的にロシアとの戦争も始まることは考慮していたでしょう。トランプ大統領としては、今は大切な大統領選の選挙期間中です。この時期に、米軍を派手に動かすことは、中東から米軍を撤退させるという政治公約の点からしても極力避けたいことだったはずです。だからこそ10分前に攻撃命令を撤回していたのでしょう。

 プーチンという盟友を得た(と思っている)習近平も対日要求のハードルを挙げてくることでしょう。徐々に極東の状況も緊張が高まりそうです。