FirstHedge 明日の投資情報

投資を搦め手で分析します。

香港騒乱の背後

中国人とは愛を語れない!

 河添さんの中国分析を転載します。おもしろいです。

 「 お飾りのラム長官は、2017年3月に任命された(7月就任)。結論から言えば、彼女は第1次習近平政権で香港を主管する中国政府の最高機関「中央香港マカオ工作協調小組」の当時トップ、張徳江氏(中国共産党序列第3位)が推した人物である。
 ただ、張氏の上にはさらに大物の黒幕がいる。香港マカオ工作は長年、江沢民国家主席派の超大物、曽慶紅元国家副主席(元序列5位)が担ってきた。彼は別名「江派二号人物」と呼ばれる。
 香港マカオの工作は、曽氏から習氏に渡り、その後、張氏が引き継ぎ、現在の第2次習政権では、江派の韓正・筆頭副首相(序列7位)が、その地位にある。習氏が現在の地位へのぼり詰める過程では、絶大なる権力を有した江氏と、事実上ナンバー2だった曽氏の力が大きかった。
 ところが、習氏は総書記と国家主席の座を射止めて、突如、牙を剥いた。「トラもハエも」の掛け声で、江一派の利権や資産を奪取し、汚職で次々と幹部を捕まえ、監獄や鬼籍に追いやってきたのだ。
 このため、習氏にとって香港とマカオは危険地域になってしまった。
 習氏と夫人らが2年前の6月下旬から7月1日、香港を訪問した。国家主席として初めて、9年ぶりの訪港だったが、保安当局や警察当局は、安全保障レベルを最高級の「反テロ厳戒態勢」に引き上げた。中国本土からも、事前に人民解放軍武装警察などが大量投入され、「暗殺に怯える」習氏の周囲に、よそ者が近づかない態勢を整えた。
 さらに、習氏が昨年10月にマカオ入りする直前には、マカオのトップ、中国政府の出先機関である「マカオ連絡弁公室」主任の転落死も報じられた。江派だった主任の死因も謎だが、「香港・珠海・マカオ大橋」の開通式に、習氏は異様な警備体制のなか、30分以上も遅れて登場し、スピーチらしいスピーチもせず、逃げるようにその場を後にしたという。
 「長老たちはもう、習主席をかばわない。サジを投げている
 元最高指導者、トウ小平一族に「近い」筋からは、このような話も伝え漏れる。」

【瀕死の習中国】逃げるようにその場を後に…習近平氏にとって“危険地域”となった香港とマカオ 関係者「長老たちはもう、習主席をかばわない。サジを投げた」 (2/2ページ) - zakzak

 非常に興味深い分析です。もともと香港澳門江沢民一派の利権だった。しかし、それを強引にもぎ取ったのが習近平でした。ですから、習近平は香港澳門に出入りができないと言う皮肉な状況が生まれているのです。ですから、今回の香港での騒乱も習近平にとっての失点と見るべきでしょう。

 この調子でいけば、習近平3期は不可能になります。とすると、残された習近平には二つの途しか残されていません。最初の選択肢は、大人しく2期でやめる。しかし、これは未練が残るでしょう。もう一つの選択肢は、これを上回る業績を上げることです。具体的には、台湾奪取が第1候補です。第二の選択肢の方が可能性としては高い気がしますが、最初の選択肢にしても、習近平の後継者が、習近平よりはハト派であるとはかぎりません。とにかく、中国にはまずい雰囲気が流れているといえます。