FirstHedge 明日の投資情報

投資を搦め手で分析します。

間近に迫る人民元暴落

人民元の興亡 毛沢東・鄧小平・習近平が見た夢

 チャイナクラッシュが間もなく起きるかも知れません。

 「米中貿易対立の谷間が深まり大手銀行の人民元預金が今年に入り13億元近く減ったことがわかった。ドル建て預金はこの2カ月間で12億ドルほど急増した。両国間の貿易紛争が「為替戦争」に拡大する兆しを見せる中で「ドル高人民元安」にベッティングする投資家が増えているものと分析される。

 10日の銀行界によると、新韓銀行国民銀行ウリィ銀行、KEBハナ銀行、農協銀行の大手銀行5行の5月末の人民元建て預金残高は定期預金と普通預金合わせ51億7683万元(約811億円)となった。昨年11月の64億6857万元から20%ほど減少した。6カ月で13億元近くが抜け出た。ドル建て預金残高は3月の347億1897万ドル(約3兆7679億円)から先月末には358億9041万ドルに増えた。2カ月で12億ドル近く増加した。

 都市銀行関係者は「人民元建て預金の金利の方が高いのにドル建て預金に需要が集まるのは金融消費者がドル高の可能性を高いとみているという意味」と話した。都市銀行人民元建て預金の金利は最高年2%台半ばで、ドル建て預金金利の年1%台後半より0.5ポイント以上高い。

 米中貿易紛争で触発された通貨価値の変動性が「外貨大移動」をあおっているというのが金融圏の分析だ。人民元相場は昨年12月の米中首脳会談以降に緩やかな下降線を見せていたが最近は貿易対立が激しくなり短期急騰して1ドル=7元台に迫った人民元の価値がそれだけ下がったという意味だ。人民元相場が1ドル=7元を超えれば2008年金融危機以降10年以上ぶりだ。

 ドル建てと人民元建て預金の動きは交錯している。今年に入って起きた米中貿易紛争の影響が大きい。一寸先が見えない不安は代表的安全資産であるドル需要を増やした。

 これに対し両国の対立が長期化しかねないという見通しは人民元を手放させる要因だ。米中貿易紛争が為替相場に広がればこうした流れが当分続く可能性があると分析される。銀行業界も方向を定めた。ドル建て預金顧客の引き留めに総力を挙げている。下半期が外貨預金の「分水嶺」になるだろうとの見通しが出ている。

人民元安の流れに人民元建て預金離脱

 韓国大手銀行5行の人民元建て預金残高は昨年11月に最大を記録した。当時対ウォンで人民元相場は1元=161ウォン台まで落ちていた。人民元建て預金残高は64億5857万元に増えた。人民元価値が底を打ったと考えた投資家が人民元高にベッティングしながら人民元建て預金が急増したのだ。年末に入り雰囲気が変わった。米中首脳会談後に人民元の価値は回復傾向を見せた。長続きはしなかった。両国の対立が激しくなり人民元の価値は今年3月末の1ドル=6.68元から最近では6.9元水準まで人民元が下落した。人民元建て預金規模は20%以上減った。これに対し安全資産に挙げられるドル建て預金は3月からの2カ月間に10億ドル近く増えた。外為市場関係者は「ドルの価値への依存度が高まると同時に人民元の価値に対する期待がそれだけ減ったため」と説明した。

 米中貿易紛争が韓国企業の対中輸出に悪影響を及ぼしたのもひとつの原因とみられる。輸出を通じ人民元で入ってくる外貨規模が減り企業が銀行に人民元で預金する金額も減少したという話だ。中国関税庁の資料によると今年に入り5月までの韓国の対中輸出は前年同期比7.7%減少した。

 都市銀行関係者は「世界の景気変動性が大きくなり不安定な人民元より伝統的な安全資産であるドルを好む投資家が増加した。米国と中国が貿易だけでなく為替部門でもぶつかっており、当分は外貨預金推移もこれに影響を受けるだろう」と予想した。一部では人民元価値が2008年の金融危機から10年以上ぶりに1ドル=7元台まで下落するという見通しも出ている。投資銀行のゴールドマンサックスは最近報告書を通じ人民元相場が今後3カ月以内に1ドル=7元を突破し7.05元まで下がると予想した。(以下略)」

 

 韓国ですら、人民元の下落を予想しているということです。韓国の企業が資金を人民元建てからドル建てに変換しているだけでなく、人民元それ自体の流入が減っているとすれば、これは由々しき事態といえるでしょう。

 それだけでなく、韓国のウォンも順調に下落しています。マーケットのクラッシュはやはり通貨から始まりそうです。