FirstHedge 明日の投資情報

投資を搦め手で分析します。

ついにタッグを組んだロシアと中国

キン肉マン2世 ドリームタッグマッチ WSC 【ワンダースワン】

 いよいよヒールのロシアと中国が手を組みました。

  現在の状況は、第二次大戦前にたとえるならば、1939年に相当するでしょう。1939年には、8月23日に独ソ不可侵条約が締結され、9月1日にはポーランド侵攻が始まります。英仏との間では、実際の戦闘は始まらず(フォニー・ウォー)、かつ、同盟関係の構築もまだ途上であるためです。この段階では、ソ連が英仏と同盟国になることはあり得ない想定でした。また、米国と英国も可分であると考えられていました。1940年にはアメリカ大統領選を中心に米英が急速に一体化を図ります。そして、41年には、独ソ戦の開始により、米英ソがタッグを組んで戦うことが決定し、日本に参戦を求める圧力が以上に高くなります。日本が真珠湾攻撃を行ったころには、その対日包囲網の中にまんまと陥れられた形になりました。

 この経緯を重ねて考えるならば、やはり今回の中ロ接近は、独ソ不可侵条約締結に相当すると考えられます。中ロが接近した兆候の一つが、ロシアへの5Gの導入です。

「 米国のセキュリティ脅威と見なされている中国のテクノロジー企業であるHuaweiは、ロシアの通信会社MTSと、来年にかけて国内で5Gネットワ​​ークを開発する契約を締結した。
 合意は、モスクワで中国の指導者習近平とロシアのウラジミールプーチン大統領との間の会議の際に署名された。
 MTSは水曜日、声明の中で「5G技術の開発と2019年から2020年の第5世代ネットワークの試験的導入」を発表している。
 声明の中で述べられているように、ローテーションで会長を務めているHuaweiの郭平は、「5Gのような戦略的に重要な分野で」合意に「非常に満足している」と述べた。
 プーチン習近平のモスクワでの会議で、中国の指導者は自分のロシアの相手を「親友」と呼び、過去6年間で30回近く会ったと指摘した。今回の外遊は、2012年以来、8度目のロシア訪問である。
 習近平は華やかなクレムリンホールでプーチン大統領の隣に座り「私たちは重要な問題についての相互支援を強化するでしょう」と述べた。
 モスクワの米国との関係は、ウクライナの危機、シリア戦争、2016年の米国大統領選挙でのクレムリン紛争の疑いで急激に疎遠になっている。一方、中国はますます拡大するワシントンとの貿易戦争に巻き込まれている。
 「保護主義と一方的なアプローチが増加しており、力と覇権主義の政策がますます定着している」と習近平は言った。
  トランプによるファーウェイの禁止は、これまでで最大の貿易戦争の始まりとなる可能性がある。(以下略)」

China's Huawei signs deal to develop 5G network in Russia | Technology | The Guardian

 さらには、東シナ海でのロシア艦船とアメリカ艦船の遭遇事件です。

「【6月7日 AFP】(更新)ロシア海軍は7日、東シナ海(East China Sea)で自軍の艦艇に米軍艦が50メートル以内に接近し、危険行為に及んだとして非難した

 インタファクス(Interfax)通信はロシア太平洋艦隊(Pacific Fleet)の発表として、米誘導ミサイル巡洋艦チャンセラーズビル(USS Chancellorsville)が同日朝、ロシアの対潜艦アドミラル・ビノグラドフ(Admiral Vinogradov)に接近して航行中に突然向きを変え、アドミラル・ビノグラドフの針路を横切ったと伝えた。

同艦は衝突を避けるため緊急操舵(そうだ)を強いられ、チャンセラーズビルの司令官らに抗議したと、ロシア側は訴えているという。

 これに対し第7艦隊(US 7th Fleet)は後に、両艦が危うく衝突しそうになったのは、アドミラル・ビノグラドフがチャンセラーズビルの後方から加速して約15~30メートル以内に接近したためだとして、相手側の「不安全な」行為を批判した。

 ロシアと米国は頻繁に、海軍や空軍による危険行為を互いに非難し合っている。先月にも、ロシア軍機6機がアラスカ州西方沖の公海上空に入ったため米軍機が出動し、ロ軍機が同域を出るまで追跡した。」

米ロ海軍が非難の応酬、東シナ海で軍艦同士が「衝突寸前」 写真2枚 国際ニュース:AFPBB News

 今回の遭遇事件は、中ロ同盟締結の象徴としてみるべきでしょう。ただ、第二次大戦のときと同様で、さらに同盟関係の組み換えが起きる、つまり、ロシアが最終的には中国との同盟関係を破棄する可能性も高いと考えられます。