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メンツしか守るものがない

知っておくと必ずビジネスに役立つ中国人の面子(メンツ)

 実際には戦いに負けているのに、「それを認めたくない」が故に一層悲惨な状況に陥っているのが現在の中国でしょう。

 「中国と米国の貿易協議は決裂せず、両国はこの先、北京で会合を再開することで合意したと、中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報で編集長を務める胡錫進氏が当局者の話としてツイートした。

  胡氏はツイートで、「双方が協議は建設的だと考えており、話し合いは継続する。今後は北京で再度会合することに両国が同意した」と述べた。

  同氏はまた、米国との通商協議で中国側は幾つかの要となるポイントを強く主張していると、情報源を示さずに別のツイートで明らかにした。核心ポイントは以下だという。

・米国は追加関税をすべて解除するべきだ
・米国が要求している購入規模は現実に見合う必要がある
・合意の文言は主権と尊厳を尊重するものでなくてはならない」

米中貿易協議は決裂せず、今後は北京で再開へ-環球時報の編集長 - Bloomberg

 ロイターなどにも同様の記事が出ていますが、中国サイドとしては交渉が決裂したことにできないのでしょう(笑)。この要求にしても「俺の面子をまもってくれ」という中身になっています(笑)。そもそも、交渉が妥結しなかったのは、中国政府が、知的財産・企業秘密の保護、技術の強制移転、競争政策、金融サービス市場へのアクセス、為替操作の分野で、米国が強い不満を示していた問題を解決するために法律を改正するとの約束を撤回したためでした。この条件を受け入れない限り通商問題は解決しないわけで、中国は何らかの妥協案を再びアメリカに提示しなければならないでしょう。

 しかし、トランプ政権が中途半端な妥協策を受け入れるとは考えにくいところです。中国の市場で失ったシェアは、日本が農産物市場を(TPPレベルに)開放することで、解決されるはずです。量的にはおよばないものの、中国に対する対決姿勢は、民主党共和党に関わりがない超党派的な要求になっています。

 このまま進めば、中国経済の変調→オーストラリア等の資源国の通貨下落→中国で利益を上げてきたドイツなどの先進国の経済減速とつながることでしょう。