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イランが戦争を起こす可能性

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 すぐに戦争が起きるというわけではありませんが、アメリカが押しつける石油禁輸に対して、イランも遂に腹をくくったようです。

 「イランのロウハニ大統領は8日、同国の核開発を巡る英独仏などとの合意に基づく義務の履行を一部停止すると発表した核兵器の原料にもなる濃縮ウランを制限量を超えて貯蔵する方針だ。核合意から離脱しイランへの経済制裁を強める米国に対抗する。60日以内に欧州などとの協議が進展しなければ核関連活動を拡大すると警告した。イランの核開発を抑えてきた合意は崩壊の瀬戸際に追い込まれた。

 ロウハニ師は国営テレビの演説で、今回の対応は「合意を壊すのではなく救うためのものだ」と説明した。現在、貯蔵量を300キログラムに制限されている濃縮ウランについて、余剰分を国外に販売せず国内で貯蔵すると述べた。英独仏などに対し、イランが原油を輸出し金融決済の手段を確保できるようにするための協議を求めた。期限内で合意できなければ3.67%と決められたウラン濃縮の濃度の上限を無制限に引き上げると警告した。

 2015年にイランと米英独仏ロ中の6カ国との間で成立した核合意では国連安保理決議に基づく制裁や米欧の独自制裁を解除する代わりに、イランが様々な核関連活動の制約を受け入れた。」

イラン、核合意履行を一部停止 英独仏に協議求める (写真=ロイター) :日本経済新聞

 少しずつ条件闘争に訴えることで、アメリカを動かそうとしているのかも知れませんが、逆に周辺諸国を緊張させる結果に終わっています。

 アメリカが、イランの方針変換に最も素早く対応しています。

「米国はイラン包囲網を狭めている。ポンペオ米国務長官は7日にイラクを予告なしに訪問した。イラク駐留の米軍などに対するイランの攻撃が差し迫っていると判断したイラクのアブドルマハディ首相らにイランの脅威を詳しく説明し、イランとの軍事協力を控えるよう迫った。エネルギー開発の支援などを通じてイランに依存する構造の転換を促し、イラン経済に打撃を与える戦略を加速させている。

「攻撃は今すぐにでもありそうだった」。ポンペオ氏はイラク訪問後に記者団に対してイランの攻撃が間近だったとの認識を示した。イラクには5000人規模の米兵が駐留する。ポンペオ氏はイランの計画をイラク首脳に直接説明し「米国民を守るとの確証を得た」と語った。ドイツのメルケル首相との会談を直前でキャンセルしてまで実現した電撃訪問にポンペオ氏の危機感がにじむ。

 ポンペオ氏は国境を接して結びつきの強いイランとイラクの分断を狙った。米国は、イラクが国内で過激派組織「イスラム国」(IS)掃討を理由に協力するイラン傘下の民兵組織に懸念を強めてきた。2018年9月にイラクの米大使館周辺に迫撃砲弾を撃ち込んだのはこの民兵組織と米国はみる。今回の米国への攻撃計画も民兵組織が関与した可能性がある。

 ポンペオ氏は会談でイランを念頭に「イラクに介入する国が他国を攻撃してはならないとの認識で完全に一致した」と説明した。イラク民兵組織との協力を停止し、イランに帰還させるよう迫ったとみられる。

 経済支援を巡っては、ポンペオ氏がインフラ整備やエネルギー開発で協力を強化する考えを伝えたイラクは発電に使う天然ガスの多くをイランから輸入している。イラクがイランとの関係を断てない大きな理由の一つだ。米国はイラクがエネルギー依存を下げればイランの外貨収入源を封じる「最大の圧力」戦略を加速できるとみる。

 米国はイランとの不測の事態に備える。米メディアによると、核兵器を搭載できる4機の戦略爆撃機B52を中東に派遣し、そのうち2機が8日中にカタールの空軍基地に配備される。地中海に展開する空母エーブラハム・リンカーンのほか、ミサイル巡洋艦ミサイル駆逐艦原子力潜水艦などで編成する「空母打撃群」もペルシャ湾付近に派遣させる見通しだ。

 イラン政策を指揮するのはタカ派ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)だ。元側近は「ボルトン氏はイランの影響力を抑えるには軍事攻撃を伴う体制転換しかないと考えている」と解説する。トランプ大統領は海外での軍事行動に慎重な立場をとるが、偶発的な衝突のリスクはある。」 

米、イラン包囲網狭める ポンペオ国務長官、イラクを電撃訪問 :日本経済新聞

 イスラエルガザ地区での先頭が停戦したばかりです。タイミング的には騒動を起こすなら今だという認識がイランの側にも米国の側にもあるといえそうです。

 現在のところ、アメリカの基本的な方針はイランの内部からの体制崩壊を待っている段階だと言えます。しかし、イランが対外的な攻勢に出た場合にそなえて、警戒態勢を強めているのが現在の段階でしょう。イスラエルもネタニヤフ首相除く島が決まりましたし、イスラエルVSイランの緊張はさらに高まるものと見られます。