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ドイツ経済の失速

そしてドイツは理想を見失った (角川新書)

 ポリコレ帝国と化したドイツに未来はないでしょう。

  ドイツがなぜポリコレ帝国になったかといえば、戦後ネオナチ組織が生まれるたびに周辺諸国から「ナチスの教訓を学んでいない」と批判されたためでした。

 しかし、周辺諸国がドイツに口出ししなくなった以降も、ドイツはネオナチ狩りを最優先事項とし、トルコ系移民の導入により多民族国家化を目指しました。出生率が減少していたので仕方がなかったのかもしれませんが、そのためにますますネオナチ狩りに重点が置かれるようになりました。

 その結果が、中近東からの移民とのトラブルを政府自らがなかったことにするという欺瞞だったのです。

 そこまでしてドイツは何を守ったのかといえば、ドイツの経済であったわけです。

それが崩壊するとなると、メルケル首相はこれまで何をしてきたのでしょうか。

「 ドイツ企業の景況感は4月に予想外の悪化となった。欧州最大の経済大国である同国の回復にまだ時間がかかる可能性が示唆された。
 同景況感は一時的に上昇した場面もあったが、1年以上にわたり低下傾向にある。景況感が近く回復する兆しはほとんど見られない。ドイツの製造業は引き続き低迷しており、政府は今年の成長率見通しを6年ぶりの低水準まで引き下げた。
 ドイツのIfo経済研究所が集計した企業景況感指数は4月に99.2と、前月の99.7から低下。市場予想は99.9への上昇だった。期待指数も低下した。
 統計内容を受けてユーロは対ドルで一段安。フランクフルト時間午前10時5分現在、0.2%安の1ユーロ=1.1207ドル。ドイツ10年債は上昇した。ドイツの低迷に加えて保護貿易主義の高まりや中国の景気減速がユーロ圏経済にとって重しとなっている。」

ドイツ企業の景況感指数は4月に悪化、市場予想に反して前月比低下 - Bloomberg

 移民の導入がドイツ経済の停滞を招いている側面も大きいとは思いますが、もう一つの懸念は対米関係が極度に悪化していることです。ロシア問題、それに中国問題をめぐってアメリカのトランプ大統領との対立が激化するようであれば、その咎めはドイツ自動車業界に及ぶことでしょう。つまり、ドイツ経済の今後の見通しは限りなく暗いのです。