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消費税増税に対する相次ぐアメリカからの警告

「消費増税」は嘘ばかり (PHP新書)

 このまま消費増税になればヤバイと思います。

 「政府が借金を膨らますのは善-。常識を覆す経済理論、現代金融理論(MMT)が米国で論争を巻き起こしている。旗振り役であるニューヨーク州立大のステファニー・ケルトン教授(49)はインタビューに応じ、国民を犠牲にしてまで財政再建を図るのは間違いで、豊かな生活の実現へ財政赤字拡大にひるむなと説いた。その上で、日本の消費税増税は「デフレ圧力をもたらし誤りだ」と警鐘を鳴らした。

 ケルトン教授は「失業は経済的な無駄で、社会的な害」とし、「MMTの目的は(国が)潜在成長力を発揮できるようにすることにある」と強調。政府が完全雇用を保障するために「大胆な財政拡大策」が必要と説明した。雇用拡大で経済成長が実現し、政府が借金を増やしても問題ないと訴えた。

 巨額の財政赤字を抱える日本は、10月に消費税率を引き上げる。ケルトン教授は「ギリシャ財政再建を図ったために経済を崩壊させた」と指摘。「政府が国民や経済より、財政均衡を優先するのは非常に不幸だ」と嘆き、「日本は財政均衡ではなく(失業や貧富格差などを含む)経済問題の改善に取り組むべきだ」と提言した。

 MMTは、通貨発行権を持つ政府は発行額の制約を受けないとの立場。ハイパーインフレを招くと主流派の経済学者から「異端」扱いされている。ケルトン教授は需要に対し供給が少な過ぎることがインフレの原因とした上で、MMTは完全雇用により経済の供給能力を高めると説明した。ハイパーインフレに見舞われたアルゼンチンは、クーデターや外貨建て債務などが問題を引き起こした特殊ケースだと位置付けた。」

日本の消費増税「デフレ招く」=財政赤字膨張にひるむな-異端の米教授

 確かにそうなんですよね。以前ヴェルナーの議論を紹介しましたが、市場に流通している通貨量で経済成長の程度が規定されるというのは真実だと思うのですよ。

 通貨量を決定しているのは財務省ではなく、日本銀行です。財務省に対する批判が最近は強いですが、本当の問題はこの日銀。この点の闇を解決しない限り、日本が本格的に経済成長を遂げることはないでしょう。

 それは置くとしても、先日はWSJが、そして今度はMMTの理論家が、消費税引き上げに警鐘を鳴らしているのですから、アメリカは本気で日本の経済を心配している見るべきでしょう。

 ですから、アメリカとのパイプが強いとみられる管官房長官がこの点で何か発言すれば、増税はストップする可能性があると言えます。