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手詰まりの北朝鮮

魔王と勇者に溺愛されて、お手上げです! (ビーズログ文庫)

 北朝鮮は未だに自らが置かれた立場を理解していないようです。

「 北朝鮮金正恩キム・ジョンウン)委員長は12日、最高人民会議(国会に相当)での施政演説で、米国側の譲歩を条件に3回目の米朝首脳会談に臨む用意があるとの考えを示した。国際社会の制裁には屈しないと強調したうえで「年末までは忍耐心を持って米国の勇断を待つ」と強調した。13日の朝鮮中央通信が報じた。
 物別れに終わった2月末の米朝首脳会談後、金正恩氏が自らの考えを述べるのは初めて。期限を2019年末に定め、米国側と協議再開への糸口を探る構えとみられる。
 金正恩氏は「米国が正しい姿勢で我々と共有できる方法を条件に3回目の首脳会談をしようというなら、もう一度会談をする用意がある」と語った。「米国が新たな考え方を持って我々に歩み寄る必要がある」と述べ、譲歩するのはあくまで米国側だと訴えた。自ら打開策を示す意思は見せなかった。
 演説はハノイで開かれた2月末の米朝首脳会談の総括にも触れた。「米国は実現不可能な方法に知恵を巡らせ、我々と向き合う準備ができていなかった」とし、物別れの責任は米国側にあったと強調した。「米国に朝米関係を改善する意思があるのか警戒心を持つ契機となった」などと指摘した。
 自らの核・ミサイル開発には言及しなかったが、米国の軍事的圧力には警戒感をあらわにした。米国が対北朝鮮を想定したミサイル実験や軍事演習を実施していると指摘し「我々をひどく刺激している。敵視政策が露骨化するほど、我々の行動もそれに従わざるを得なくなる」とけん制した。
 もっとも、トランプ米大統領との関係については「両国関係のように敵対的ではなく、素晴らしい関係を維持している。思いつけば、いつでも互いに手紙をやりとりできる」と強調してみせた。
 韓国の文在寅ムン・ジェイン)政権への注文もつけた。「米国との仲裁者として振る舞うのではなく、民族の利益を擁護する当事者になるべきだ」と指摘。南北経済協力を念頭に「実践的な行動をとる勇断を下さなくてはならない」と述べた。
 ラヂオプレスによると、北朝鮮の最高指導者による施政演説は、故金日成主席が1990年の最高人民会議で演説して以来となった。」

 金正恩氏「米朝会談、3回目の用意」 米の譲歩条件に (写真=ロイター) :日本経済新聞

 全然反省していないというか、このままでは年末までもたないと言うことをひしひしと感じさせる内容です。トランプ大統領と「手紙のやりとりができる」というのが唯一の慰めになっていることがうかがえます。

 これに対して、アメリカが北朝鮮にハードルを下げるとは考えにくいのです。むしろ、うやむやに米軍を韓国から撤退させる可能性の方が高いでしょう。パーティーの時間は終わって、もう会場からゲストが出て行くところで、未だに「自分がパーティーの主役」と考えているのは、痛々しいものを感じます。

 韓国もセットで、北朝鮮も雪隠づめにされているのに、それに気がつかない金正恩の愚かさは、北朝鮮という国家の喪失という代償となって現れることでしょう。