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武器商人、パキスタン

 

パキスタン財閥のファミリービジネス:後発国における工業化の発展動力

 昨日は久しぶりに風邪をひいて寝込んでいました。これであほではないことが実証されたか?はどうでもよくて、今日取り上げるのはパキスタンです。

 「イスラマバードで開催される毎年恒例のパキスタン記念日の軍事パレードは、雨が降る3月23日に実施され、同盟国に大きな意味で同国の軍事兵器を披露する一方で、インドと米国に明確ではあるが明確なメッセージを送った。
 3人の最も有名な外国人客は、マレーシアのマハティール首相アゼルバイジャン防大臣ザキール・ハサノフ、それに、バーレーンの国家警備隊の司令官、中将シェイクモハメドビンイサビンサルマンアルカリファであった。

 アゼルバイジャンとマレーシアは、中国パキスタン両国の共同生産の成果であるJF-17の顧客として招かれたのに対し、バーレーンは最近パキスタンのCavalier Groupによって設計された装甲戦闘車の最初の輸出先として招待された。
 パレードに参加した他の国々には、中国、サウジアラビアスリランカ、トルコなどがあげられる。中国とトルコはまたパレードに出演するために航空機を派遣した。
 インドとの緊張が高まった直後に来た外国人参加者の存在は、パキスタンが孤立していないことを証明しただけでなく、地域の同盟国との協力強化への願望も反映したものとなった。

 Royal United Services Instituteの客員研究員であるカメル・アラム(Kamal Alam)は、次のように述べている。「パキスタンは、調達、共同生産、軍事販売などの地域防衛の連携を検討している。JF-17だけでなく、トルコと中国の軍事協力をさらに強化し、攻撃型ヘリコプターの生産を目指している。」
 比較すると、マレーシア、アゼルバイジャンサウジアラビアパキスタンが軍事システムのバイヤーとして拡大しようとしている歴史的な同盟国であり、パキスタンの製造業者を西側の機器に代わるより安価な代替品として売り込んでいるところだ。
 「地域の地政学と防衛経済学は、[パキスタンの首相]イムラン・カーンと陸軍の地域経済外交にある」とアラムは付け加えた。
 パキスタンの大統領がメッセージを送るためにパレードを使用したけれども、今年は特にインドのオブザーバーは見られなかったパキスタンの平和への継続的な欲求が弱さとして誤解されるべきではないためだ。
 アナリストであり作家でもある元オーストラリアの国防長官、ブライアン・クラウリー氏は、インドの首相は「インドからの来賓がこの機会に出席することを許可することはできなかった」と述べた。 インド政府が選挙で実質的に過半数を獲得しない限り、パキスタンとインドの接近にむけた実質的な動きもありそうにない。
 しかし、クラウリー氏によれば、米国、そしておそらくモスクワにとっても、「それほど微妙ではないメッセージ」は、最近ロシアから届けられたMi-35Pハインドヘリコプターガンシップの参加であった。つまり、パキスタンは武器の製造業者として、アメリカの影響圏から漂流しはじめているというのである。」

Pakistan sends subtle messages to India, US with military parade

 いつも財布はからのパキスタンが、実は軍事生産大国であったというのは驚きです。またその生産する武器によって暗黙の同盟が形作られていることも。

 中国との一帯一路政策への関与、それにこの武器生産の実態を見れば、パキスタンアメリカの影響力から離れようとしていることは明らかでしょう。このままでは、アメリカとパキスタンの関係はさらに悪化することが予想されます。

 いずれにせよ、アメリカはインドを選択したのですから、パキスタンはロシアやトルコといった大国に依存せざるを得ません。こうして知らない間に次の大戦の同盟関係が形作られていくものなのでしょう。