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インドによるパキスタン攻撃の成果は

核のリスクと地域紛争: インド・パキスタン紛争の危機と安定

 お互い、おっかなびっくり仕掛け会っているという段階です。

 「インド政府は26日、同国の空軍機が同日、パキスタン国内のイスラム過激派ジェイシモハメドの拠点を狙った空爆を実施し、武装勢力のメンバー多数が死亡したと発表した。政府高官筋によると、武装勢力のメンバーとみられる300人が死亡した。
 インドとパキスタンが領有権を争うカシミール地方では今月14日、インドの治安部隊を乗せたバスを狙った乗用車による自爆攻撃があり、同部隊の隊員44人が死亡した。攻撃後、パキスタンを拠点とするジェイシモハメドが犯行声明を出していた。
 インドのシェカーワト農業・農民福祉副大臣ツイッターに投稿し、「空軍がきょう早朝に実効支配線の向こう側のテロ拠点を空爆し、完全に破壊した」と明らかにした。
 一方、パキスタン軍の報道官、アシフ・ガフール少将は26日未明、「インド機が(パキスタン実効支配地域の)ムザファラバードから侵入した」とツイッターに投稿。「パキスタン空軍の時宜を得た効果的な対応を受け」、インド機は「急いで爆弾を投下して逃げた。爆弾はバラコット付近に落ちた。けが人や被害は出ていない」としていた。」

インド政府、パキスタンで武装勢力を空爆と発表 300人死亡 | ロイター

 インド側の発表では、死者(テロリスト)300名とのことですが、だれが確認したのでしょうか(笑)。また、パキスタン側は「被害なし」としていますが、それにも疑問が浮かびます。真実は、その中間当たりなのでしょう。

 とはいえ、来たるべき世界大戦の勃発候補地で、予定通り紛争が生じたことは深刻に考慮するべきでしょう。インド・パキスタン戦争は、これまでにも3度以上発生していますが、インドの勝利に終わっていたと思います。

 重要なことは、両国とも核保有国であるという事実です。カシミールにおける紛争が激化すれば、いずれかが核を使用する可能性もゼロとは言えません。特に、パキスタンが核を保有しているのは、インドによる攻撃を抑止するためですが、仮にパキスタンが先に核を撃てば、インドは甚大な被害を受け、そのまま大戦争に突入していきます。

 そうなれば、南アジアにおける地政学的状況は一変するわけで、東アジア、中東にも大きな影響力を与えます。インド・パキスタン紛争が勃発した場合、中国はインドが後背から攻撃する可能性を考慮しなくても良くなるので、東シナ海南シナ海で軍事作戦を遂行しやすくなります。

 中東に関しては、パキスタンの核の事実上の所有者であるサウジアラビアは自国で使用する核兵器を取り戻そうとするでしょう。そうなれば、イランとの関係は険悪化します。アフガニスタンも、タリバン王国になっている場合は良いのですが、ロシアが進出した場合、イランはロシアの影響圏に入る事になるでしょう。

 とするとこの段階でのアメリカとロシアの関係が決定的に重要になります。現在の状態では、最終的に、アメリカがロシアと対峙する意思を固めるかも知れません。

 アメリカにとっては、イスラエル防衛という大目標があります。ロシアがイスラエルにちょっかいを出すようなことがあれば、そのまま、中東で大戦争が勃発することになるでしょう。

 一通り、紛争が伝播する可能性を考察しましたが、インド・パキスタン紛争はなかなか厄介な問題であるのは確かです。