インドも警戒するファーウェイ
ファーウェイ社やZTE社はもうおしまいですね。後は中国国内の市場しか残されていません。というか、この段階で、これらの企業の製品を使用することはあまりに危険が大きすぎるのです。個人的な使用の場合でも同様でしょう。
「中国の通信大手Huaweiは積極的に中国の人民解放軍へのリンクを否定するかもしれないが、インドの諜報機関の独立した評価はこれまでのところ明らかにPLAが会社の顧客であり、それに関わっていることを指摘する。
Huaweiの中国の安全保障機構との密接な関係についてのインドの諜報機関の安全保障上の懸念は、米国の政権によって共有されており、アメリカもHuawei社による2008年の3com社の株式取得の阻止に動いた。
イギリスの諜報機関でさえ、中国はHuaweiやZTEのような企業が設置した機器にマルウェアを埋め込むことで、ITに依存する通信インフラストラクチャや水、電力、食料供給などの重要な公共サービスを妨害する可能性があると警告している。
R&AWがまとめたHuawei Technologiesのセキュリティ評価によると、中国企業は中国のセキュリティ機関との提携を共有しているだけでなく、そのインテリジェンス機構の一部であると疑われている。それは1988年にPLAの総務部の情報工学アカデミーの元ディレクターを務めた引退したPLAの任正非によって設立されているだけでなく、会社の理事会のメンバーの一人は国家安全部の担当官であった。
Huaweiは、特定の期間に収集された情報の入力に関して、すべての中国大使館から盗聴器を一掃し、検証する責任を負っている。彼らの専門知識は、対象となる電気通信およびコンピュータシステムの盗聴にまで及ぶ。これによって、サダム・フセイン政権時代のイラクでの軍事目的のプロジェクトへの関与や、タリバン統治時代のアフガニスタンでのテレコム・プロジェクトへの関与も説明される。
Huaweiが中国のセキュリティ施設の利益のためにシステムを盗聴すると主張しているという不利な報告を受けて、インド通信省はバーラト・サンチャル・ニガム(BSNL)社に対し、実際に運用する前に、中国企業が提供するすべての機器の「落とし穴、ブラックボックス、マルウェア」をテストし、影響を受けやすいかどうかを確認するよう警告した。
BSNL社はファーウェイとの通信ネットワーク契約の授与を許可されていたが、中国、パキスタン、バングラデシュ、ミャンマーなどの敏感な国々と国境を接していないため、注文を南部州に限定することになっていた。インド通信省はまた、Huaweiが提供するネットワークを、必要なすべての監査が完了した後にのみ稼働させるように警告した。(以下略)」
Huawei part of Chinese spy network, says R&AW - The Economic Times
R&AWというのはインドの情報機関ですね。なるべく安全保障上の懸念が少ない地域でファーウェイの機器を導入する予定だったようですが、国際的にここまで話がこじれれば、どうなるかはわからないというのが率直な見通しでしょう。
しかし、そうした世界的な流れに背を向けそうなのがドイツです。
「ドイツ政府は、次世代高速通信「5G」のネットワーク構築に向け、いかなるメーカーやハイテク企業も排除しない方針を示した。内務省の報道官が7日明らかにした。
米国の同盟国ではオーストリア、ニュージーランド、日本などが、政府機関の採用する製品・サービスなどから中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)を排除。同社を巡っては、米国の対イラン制裁に違反した容疑で孟晩舟・最高財務責任者(CFO)がカナダで逮捕された。
同省報道官は会見で、特定のサプライヤーや製品を法的に排除することは想定していないとし、「導入されるネットワークインフラのセキュリティーやプライバシーは保証されるべきとは考えている」と述べた。」
ドイツ、ファーウェイを政府調達から排除せず 5G整備巡り | ロイター
これは、ドイツは中国のサイドにたつという宣言ですから、中国包囲網を形成しつつあるアメリカにとってこれほど目障りなこともありません。トランプ大統領のNATO軽視も、案外、こうした敵対的行動に起因しているのかも知れません。ハッキリと言えるのは、アメリカとドイツ(表向きはEU)の通商交渉はかなり激しいものになるということです。ドイツの自動車の輸入制限にまでつながるかも知れません。
ですから、英国を巻き添えにしないためにも、英国にはEUから後腐れなく離脱(ハードブレクジット)してもらう必要があるのです。