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アメリカは英国と単一経済圏を樹立

ブレグジット秘録 英国がEU離脱という「悪魔」を解き放つまで

 アメリカとNATO加盟国の関係がぎくしゃくしていることも背景にはありますが、結局落としどころは単一経済圏でしょう。

 「 英政府と欧州連合EU)が正式に合意したブレグジット(英国のEU離脱)協定について、ドナルド・トランプ米大統領は26日、米英貿易協定の障害になる可能性があると発言した。具体的に、英・EU合意のどの部分が問題になるのかには触れなかったが、ブレグジット合意は「EUにとって最高の合意内容のようだ」と述べた。
 首相官邸は、ブレグジット後の英国は独自の通商政策を持つことになり、「世界中の国々と貿易協定を結べる」と離脱合意に「明記」されていると強調した。
 テリーザ・メイ英首相は26日、英下院で離脱合意について与野党の議員から批判を繰り返し浴びた。その上で首相は、合意が英国の立法や金融や国境について英国の決定権を回復したもので、「英国民の民意を実現した」と強調。12月11日に下院で議決を求める方針を明らかにした。
 この数時間後にトランプ氏はホワイトハウスで記者団を前に、「英国に貿易が許されるのか、真剣に検討しなくてはならない。というのも現時点で合意内容を見ると、(英国は)我々と貿易できないかもしれないので。それは良くない。そのつもりだったとは思わない」と述べた。
 トランプ氏の発言は、ブレグジット後の英国が独自の自由貿易協定を米国と交渉することを、今回の離脱合意が妨げるのではないかという指摘だったと受け止められている
 これに対して英首相官邸報道官は、25日の英・EU合意をもとに、米国を含めた諸外国と英国が2国間協定を結ぶことは可能だと述べた。
 「(英米の)合同作業部会はすでに5回会合し、野心的な2国間協定の下地作りを進めている」と報道官は説明した。
 BBCのジョン・ソープル北米編集長は、米英通商は当面の間は「従来通りに続く」だけに、トランプ氏の発言はことさらに挑発的だと指摘した。
 「ドナルド・トランプ氏は自分が何を言っているのか完全に分かっていた。トランプ政権幹部と英国の主要な欧州懐疑派は、さかんに連絡を取り合っている」とソープル編集長は説明している。」

トランプ氏、ブレグジット合意に懸念 米英貿易を脅かすと - BBCニュース

 トランプ政権としては、FTAによって英国も自国の経済圏に組み入れるという狙いがあるのでしょう。NAFTAも自国が有利になるようにわざわざ改定させたのですから、この調子で日本にも貿易面での譲歩を求めてくるのはほぼ間違いがありません。

 それでも、本来であれば、アメリカはTPPに参加していたはずで、現在英国も参加を希望しているのですから、TPPを軸にした国際貿易秩序が最終形態といえそうです。ただ、トランプ大統領自身はTPPに反対していますので、次の大統領の段階でそうなるでしょう。

 英国の立場から見れば、英国がEUを離脱したとしても、アメリカというセーフティーネットがあると考えれば、予想されているほど大きなダメージは受けないのではという気がします。具体的な検証結果を見てみなければわかりませんが、これが英国の本命と見るべきでしょう。

 ですから、来年の三月末日以降、ポンドは相当程度跳ね上がると予想出来ます。