FirstHedge 明日の投資情報

投資を搦め手で分析します。

追い詰められるプーチン

2019年の壁掛けカレンダー「ウラジーミル・プーチン」、サイズ23?x33.5?(英語、ロシア語)

 プーチンの長期政権も、このところ失敗続きです。スクリパリ親子の暗殺事件で暗殺(未遂)犯が、ロシア軍情報部の要員であることが暴露されるなど、本当にいいところがありません。そこに加わるのが、このところの支持率の低下です。

「ロシア・シベリア連邦管区のハカシア共和国で11月11日、共和国首長選挙の第2回投票が実施され、野党・共産党のワレンチン・コノワノフ氏が勝利した。12月には沿海地方ウラジオストクで知事選挙の再投票が予定され、プーチン政権に厳しい選挙戦となっている。

 ハカシア共和国では9月9日の統一地方選挙(第1回投票)で、現職首長(当時)で与党・統一ロシアから立候補したビクトル・ジミン氏が、コノワノフ氏に得票率で12ポイント以上の差をつけられ敗北した。立候補者全員の得票率が過半数に達せず、再選挙となったが、ジミン氏と、10月3日にプーチン大統領から首長代行に任命されたミハイル・ラスボジャエフ氏が第2回選挙に出ず、同選挙の立候補者はコノワノフ氏1人となっていた。11月11日の信任投票で、同氏は57.57%の得票率で当選した(反対票は41.16%)。同氏は1987年11月生まれの30歳。

 9月9日の統一地方選では22の連邦構成体での知事・首長選が行われ、ハカシア以外でも中央管区のウラジミル州、極東のハバロフスク地方で現職知事や与党候補が敗れる波乱が起きている。同じく極東の沿海地方では、実質第3回目となる選挙を12月16日に控え、サハリン州知事から転任したオレグ・コジェミャコ知事代行が巻き返しを図っている。極東連邦大学太平洋・アジア学部のビクトル・ブルラコフ教授(政治学)はジェトロのインタビューに対し、9月に2回行われた沿海地方知事選挙の結果について、現職知事(当時)のアンドレイ・タラセンコ氏の得票低迷の要因を、a.同氏のマスコミへの露出度の低さ、b.選挙対策陣営の票の読み違え、c.年金改革などへの住民の反発、と分析。また、連邦政府は極東開発を政策の中心に据えるが、ウラジオストク市民は具体的な恩恵を感じておらず、住民は野党候補への投票というかたちで政権への抗議姿勢を表している、と述べている。さらに、コジェミャコ知事代行が12月の選挙までにウラジオストクでどの程度具体的な成果を出せるかがカギとして、引き続き行政運営に市民の厳しい目が注がれていることを指摘している。」 

地方選挙でプーチン政権に逆風続く、沿海地方でも12月に知事選 | ビジネス短信 - ジェトロ

 プーチンにもう少し政治的資本が残っていれば、今回の領土返還でも主権付きで2党返還までこぎ着けたはずですが、主権は返せないとごねているのは、それだけプーチンの権力基盤が脆弱であるためです。

 プーチンは知っているのです。近いうちに米中が衝突することを。だから、唐突に日本側に平和条約を早期に締結しようと行ってきたのです。

 個人的には、今回の場合に限り、二島返還でも可能になれば、平和条約を締結しても悪くはないと考えます。その場合、中国との戦争では、ロシアは中立を守ると考えられるからです。

 ですから、今回のプーチン大統領の最大のメッセージは、「戦争の際の中立を買わないか」と言うことなのです。

 ただ、今回でロシアとの交渉がまとまらなかったとしても、ロシア軍には米中が全力で衝突する軍事紛争に参加できるだけの経済力が残っていません。戦争終了間際に、勝者側にたって参戦するのが関の山です。

 どうせ日米の連合軍が勝利しますから、交渉はそれからでも遅くはないでしょう。後はプーチンのブラフに乗らなければ良いのです、