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中国、アメリカのいずれかを選べ

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 本音のところでは、米中衝突は不可避だとどの国の指導者も感じています。それが、今回のシンガポール首相の発言です。

  「シンガポールのリー・シェンロン首相は11月14日、大国アメリカと中国の緊張関係が続けば、アジア諸国はどちらにつくかの難しい選択を迫られるだろう、と警告した。
 シンガポールで開催されたASEAN東南アジア諸国連合)首脳会議後、会見で発言した。同日行われたASEANアメリカの首脳会議には、マイク・ペンス米副大統領が出席した。
 「もしある国が敵対する2国の両方と友好関係にあるなら、両方と上手くやれる場合もあるし、それで逆に気まずくなる場合もある」とリーは言った、と香港英字紙サウスチャイナ・モーニングポストは伝えた。米中の狭間で「どちらか一方を選ばすに済むのが非常に望ましい」とも言った。「すぐに選ばずに済むことを願っている
 シンガポールは1967年のASEAN発足当初からの加盟国。ASEANアメリカと強固な結び付きを維持する一方、アジアの大国である中国とも同等の関係を築いてきた。だがASEAN加盟国のなかには南シナ海の領有権を中国と争っている国もあり、関係は複雑だ。
 米中関係では、トランプが今年に入って中国との貿易摩擦エスカレートさせ、7~9月に中国からの全輸入のおよそ半分に相当する計2500億ドル分に制裁関税を発動。中国も報復措置として、アメリカからの全輸入の約85%に相当する1100億ドル分に制裁関税を課した。ペンスはASEAN首脳会議に先立って、たとえそれが「新冷戦」を意味することになろうとトランプ政権は貿易摩擦で中国側に一切譲歩しない、と明言した。(以下略)」

リー首相「アジアはもうすぐアメリカか中国を選ばなければならなくなる」 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

 ペンス副大統領は、「新冷戦」という穏やかな言い回しを用いていますが、実際のところは、中国との本格対決です。それに対して、アジア諸国に、「諸君はどうするのだ」と問いかけているのです。

 シンガポールのリー首相の発言は、それを受けてのものでしょう。来年は、中国とも仲良くし、アメリカとも仲良くするという全方位外交が破綻する年でもあります。

 実際、中国の側はアメリカの覇権を突き崩すことに熱心なのです。

 「中国人民解放軍は、これまで旨としてきた国防だけでなく、敵国への攻撃も含めて戦術を刷新したい意向を明らかにした。
 公式SNSを通じて明らかにした見解で人民解放軍は、地上軍と航空戦力を統合し、先制攻撃で敵側の動きを抑える必要性を強調した。この方針は、習近平国家主席が、世界最大の兵力を誇る人民解放軍のハードウエアと戦略構造の見直しを図るなかで示された。
 香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、「事前の計画に則り積極的に打って出れば、反転攻勢に転じて戦争の帰趨を支配できる」と、同軍は説明している。
 「地上戦も計画通りに進めれば、敵を奇襲し兵器を最大限に活用することで、勝利の可能性を飛躍的に高めることができる」
 さらに、ドローン技術を軍事戦略に取り入れることの必要性を強調し、中国の支配権拡大によってアジア太平洋地域に279カ所の基地を維持する米軍との衝突がますます現実味を帯びていると指摘する。」

人民解放軍は、戦術を従来の国防重視から攻撃型へ転換する | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

 アメリカは台頭する中国を抑止する意思を明確にし、中国はアメリカの覇権に挑戦しようとしています。残念ながら、ここには平和的解決はあり得ません。あるとすれば、中国側が譲歩した場合ですが、その場合、南シナ海の非軍事化は最低限の水準になるでしょう。しかし、ここでアメリカの要求をのめば、習近平政権が持ちません。

 経済政策の失敗で、おそらく習近平の三期はありませんが、それでも奥の院として次の政権に影響力を維持したいことでしょう。そのためにも、軍事面でのアメリカへの譲歩はあり得ないのです。

 米中衝突の際に、鍵となるのは朝鮮半島情勢です。これはまた後日扱うことにしましょう。