中国の対応に別れる日本企業
今回の安倍首相の訪中で中国との融和的ムードが高まっています。それに対して日本企業も様々な対応を見せています。
「「一時の厳しさに比べ、融和ムードが高まってきた」
富士通の田中達也社長は26日の決算発表の記者会見で、日中関係についてこう語った。同社の顧客となる日系企業の現地ビジネス拡大に期待を寄せ、「モノのインターネット(IoT)やデジタルの分野でもチャンス到来だ」と意気込んだ。
中国では高齢化が進み、1人当たり医療費支出の伸びはアジアで最大。国内介護最大手のニチイ学館は昨年末、北京で認知症の高齢者に特化した居住型介護サービスを始めた。車いすメーカーや認知症予防の医療機器メーカーも商機を探る。
伊藤忠商事は、資本提携する中国最大の国有複合企業、中国中信集団(CITIC)グループと、中国の病院経営への参画を視野に調査を進める。
金融業界でも、みずほフィナンシャルグループの提携事業は5つに及んだ。中国工商銀行とは、両国の海外拠点網や金融ノウハウを相互活用して、日中企業の第三国への進出・投資を支援。資金やサービスを提供する考えだ。
パナソニックは、中国雲南省昆明で大規模な都市開発に参入し、同社の太陽光パネルやエアコンなどを各住戸に導入する。幹部は「中国市場は規模と(ビジネス展開の)スピードが魅力だ」と指摘する。
一方、パナソニックは、中国で製造する車載用機器のうち米国向け輸出品をタイやメキシコの工場に移すことを検討している。米国が中国製品に追加関税を発動し、輸出コストが膨らんだためだ。
日本電産は自動車や家電向けモーターの一部生産を中国からメキシコに移す。「どこからでも供給できる体制をとる」(永守重信会長)狙いがある。
また、スズキは重慶長安汽車(重慶)との合弁事業を解消し、中国での自動車生産から撤退。販売不振のほか、中国政府が自国の電気自動車(EV)産業育成を視野に来年導入する環境規制への対応が難しいこともあるようだ。」
数年後には、軍事衝突が起きるかも知れない国に、これから参入する企業があれば、急いで出て行く企業もあります。
普通のメーカーはそれでも、いくらかは慎重な面もあります。しかし、金融業界はどうでしょうか。三菱UFJとみずほは中国進出で活路を見出す予定です。それに対して、三井住友はインドに進出して橋頭堡を築くようです。
今回の中国との戦争の結果を考えれば、どちらが正しいかはもはや明らかでしょう。企業トップのインテリジェンス能力が問われる時代といって良いでしょう。