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インターポール総裁、逮捕される

警部銭形 第3のシナリオ編 (アクションコミックス)

銭形警部の上司が逮捕されました。もうお笑いでしかありません。かなり無理筋な逮捕劇ですが、習近平の権力基盤を示すマーカーでもあります。

 「消息不明となっている国際刑事警察機構(ICPO)総裁で中国公安省次官の孟宏偉氏について、中国当局は6日現在、動静を公表していないが、汚職などの疑いで同氏が取り調べを受けているとの見方が強まっている。公安部門を牛耳る権力を握りながら習近平指導部による反腐敗闘争で失脚した周永康・元政治局常務委員=収賄罪などで無期懲役=の影響力一掃を狙った動きとの分析もある。
 香港紙の星島日報は6日、孟氏が9月29日にフランスから帰国した直後、共産党中央規律検査委員会の要員に連行されたと報道。香港の不動産購入などの腐敗行為が規律違反として問題視されていると伝えた。
 孟氏は2004年に当時公安相だった周氏に引き上げられて以降、14年以上にわたって公安省次官を務めてきた。周氏が汚職摘発の標的となり側近の高官が相次いで失脚する中でも、孟氏は中国海警局局長や中国人初のICPO総裁など要職を兼務してきた。
 ただ“異変”の予兆もあった。孟氏は昨年末に海警局局長などの兼職を解かれ、今年4月には公安省の実質的な意思決定機関である同省党委員会メンバーから外された。また昨年10月には公安省幹部の政治部主任が規律違反などを理由に免職処分を受け、同ポストが約10カ月空席となった。公安省幹部を狙った大規模な調査が進められていた可能性もある。
 孟氏が帰国した翌日、公安省党委員会は拡大会議を開き、厳しい党管理に関する習氏の方針を伝達。「習近平同志を核心とする党中央に絶対的な忠誠を尽くす」組織をつくり出さねばならないと強調した。
 一方、各国警察による協力機関のトップとして送り込まれた人物が、任期中に自国当局の捜査を受けて失職する事態になれば、中国の国際的信用が大きく失墜するのは不可避だ。
 孟氏は昨年9月に北京で開かれたICPOの年次総会で「ICPOが百年近く掲げてきた、犯罪撲滅や法治という旗印を汚すことは許されない」と述べている。
 北京の外交筋は「拘束が事実なら国際社会がどう受け止めるのか、中国の意思決定者は十分理解していないのでは」と驚きを隠さない。共産党関係者は「司法は腐敗が最もひどい分野の一つだが、(孟氏が)このタイミングで調査を受けるということは、よほど重大な政治的問題があったということだ」と指摘した。」

ICPO総裁を「腐敗で調査」と香港紙報道 かつての政敵の影響力排すためか (1/2ページ) - 産経ニュース

 このニュースで注目すべきなのは、腐敗撲滅という名目の政治闘争は継続しているということでしょう。ただ、今回の孟宏偉は、周永康という既に失脚した人物の引き立てで昇進しているという意味では、失脚させても反発を受ける可能性が少ない人物であったと言えるでしょう。

 これが、鄧小平に連なる人脈、若しくは江沢民上海閥に連なる人物であれば、習近平の権力が盤石の証明になるのですが、そういうわけではなさそうですね。

 今年の北載河会議では、何らかの取引が行われたと推定されます。それは、習近平の強引な一帯一路政策が、アメリカからの強い反発を受けたことに対して、党長老から強い反発を受けたためです。ただ、北載河会議の後、目に見える変化は見えていません。

 ですから、今回の孟宏偉の事件がどこまで発展するかが、習近平の権力基盤を推定するよい指標になります。続報を待ちたいと思います。