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投資不適格国、ドイツ

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 現在のドイツよりも、第三帝国時代のドイツの方が輝いていたように思います。それはナチスの時代のドイツが億目もなく世界制覇を目指していたからであり、そのことに何の良心の呵責も覚えていなかったためです。

 しかし、征服される世界の側に立てば、これほど迷惑なこともありません。ドイツによる世界征服の試みにはほとんど何の正当性もなかったことに、ナチス問題の本質があります。戦後のドイツは反省すると(見せかけて)同時に、「あれはナチスのやったことだ」とひたすら責任を回避してきました。

 反省していると見せかけるためには、ナチスの思想を徹底的に弾圧する必要がありました。それが現在のドイツ国内情報機関である憲法擁護庁によるネオナチ狩りです。言い換えれば、ポリコレを戦後延々と継続してきたわけです。

 しかし、シリア難民の流入によるドイツ国内の著しい治安の悪化は、もはやドイツ政府のポリコレ警察によっても隠せない水準に達しました。そして人口減少に対応するためにドイツ政府が推進してきたトルコ移民に改めて焦点を当てることになりました。国策として行ってきたトルコ移民を守るためには、国内の異論を弾圧するしかありません。しかし、そうした無理筋の移民擁護も限界に近づいています。

 「 ドイツの国内情報機関の長官は、ケムニッツでドイツ人男性が殺害された後、移民がしつこく追跡される映像に懐疑的な見方を示した。しかし、このドイツ東部の画像が「非常にはっきりと」憎悪を示していると主張したアンゲラ・メルケル首相の立場を弱体化させている。
 ザクセン州ケムニッツで8月26日にドイツ人が殺害された後に沸き起こった数十年で最も暴力的な右翼の抗議でドイツは深く揺るがされている。このドイツ人殺害に関しては2名の移民が逮捕されれている。
 ハンス・ゲオルク・マーセン憲法擁護局長官による金曜日のコメントは、この緊張状態を悪化させることになった。政治家や当局者は、ナチスの教訓がすでに学ばれてきたと多くが考えるドイツで台頭する外国人嫌悪に直面してあまりに独りよがり(complacent)ではないかと問いかけたのである。

 保守系ザクセン州知事マイケル・クレッチマーは、移民が襲撃されていないことを明らかにしたが、メルケル氏は写真が「ヘイトであり、無実の人々の迫害である」と発言した。

 マーセン長官はBild紙に「ケムニッツで右派の過激派が人々を追いかけまわしているというメディア報道には懐疑的だ」と語り、起こっていることを示すビデオが偽装された可能性があると付け加えた。

 官僚や政治家が口論を続ける中で、数百名の極右の抗議者と、極右への抗議活動が、毎晩のように続けられている。
 社会民主党幹部のトーマス・オッパーマンは、ケムニッツの事件に関してマーセンが「混乱を引き起こしている」と非難している。ケムニッツ東ドイツ時代カール・マルクス市として知られていた。

 野党の緑の党の党首カトリン・ゲーリング・エッカートは、ドイツ議会において、「ケムニッツヒトラー式の敬礼を演じている抗議者がいることには目を向けず、ビデオに注目するというマーセンの決断は彼がその職務に適していないことを示している」と述べた。

 「ドイツの自由で民主的な基盤にとって決定的な二つの役職は、マーセン長官と彼の上司であるホルスト・ゼーフォーファー内相によって占められているが、これが不適切な人事であることは明らかだ」とゲーリング・エッカートは声明で付け加えた。

 しかし、ゼーフォーファー内相は、記者会見で、マーセンの主張を疑う理由はないと述べ、公安当局が自分たちの仕事が政治家に支持されていることを知っていることは重要だと付け加えた。

 ザクセン州の内相であるローランド・ウェラーもマーセン長官の見解を支持し、テレビメディアのMDRにたいして「ザクセンの検察官も魔女狩りに関しては何の情報も得ていない」と述べている。

 木曜日には、メルケル首相が、「移民がすべての問題の母である」と発言したゼーフォーファー内相に不快感を示している。メルケル首相は後に「私ならばそうは言わない。移民は我々に挑戦を提示している。ここで我々は問題を抱えているが、成功も手にしている」と述べている。

 メルケルのスポークスマンは、メルケル首相がマーセンを信任しているのかと尋ねられると、「マーセン氏は重要で責任のある役割を果たしている」と答えた。

 メルケル首相は、ケムニッツの映像が「ヘイト」を表しているのは明らかだと述べ、木曜日には極右のドイツのための選択(AfD)が、殺人事件を民族的な緊張を高めるために用いていると非難した。
 旧東ドイツでの極右の影響力に関する懸念に加えて、ヴェルト紙は金曜日に8月末に発生したケムニッツでのユダヤ人レストラン襲撃に関して、「ユダヤの豚」と叫び投石した数十名のネオナチを捜査していると報じた。
 「もし報道が真実ならば、われわれは新たな反ユダヤ犯罪に直面していることになる」と政府の反ユダヤ報道官のフェリックス・クラインの発言を引用している。」

German spy chief at odds with Merkel over hounding of migrants in Chemnitz | Reuters

 このロイターの記事は、ずっと気にかかっていました。国内の治安を担当する情報機関のトップが、映像がガセではないかと、政治家の発言を引用する。それを首相が躍起になって否定するというのはなかなか異常な事態です

 今回のケムニッツの事件は、ドイツ国民の不満が限界を超えつつあることを示しています。政府の国策擁護のための言論弾圧が、崩れつつあるのです。

 今後の展開は、火を見るより明らかでしょう。ドイツ人による外国人排斥の激化(これは必ず被害者が発生するでしょう)と、それに呼応する形での大規模テロの発生です。

 最近のテロ活動の趨勢から言えば、生物・化学兵器が大規模に使用される可能性が高いです。今後5年から、10年の間に、ドイツがテロ天国になるとすれば、欧州支店をロンドンからドイツのフランクフルトに移すのがいかに危険であるかは指摘するまでもありません(せめてパリにしておけばよいのにと思います)。長期的にユーロが下落するのも当然でしょう。