トランプは異常気象に敗北する
ウッドワード記者の暴露本の内容が徐々に明らかになっています。
すでに多くのメディアでも取り上げられていますが、ゲイリー・コーンのエピソードが衝撃的でした。
「ゲイリー・コーン前国家経済会議(NEC)議長やロブ・ポーター元秘書官が、大統領の机から書類を隠す場面を、ウッドワード氏はいくつか書いている。トランプ氏が署名してしまわないようにするためだ。
政権関係者は常日頃、トランプ氏の危険な衝動から政権や米国そのものを守ろうと、こうして努力を重ねていたのだという。北米自由貿易協定(NAFTA)や米韓貿易協定からの撤退を可能にする書類が、大統領の目に入らないように隠された。米国は現在、両協定について交渉再開を約束している。
ウッドワード氏は、政権幹部によるこうした行動を「政権内の行政的クーデターにほかならない」と呼んでいる。」
おそらく、これは事実なのでしょう。そして、ケリー首席補佐官やマティス国防長官の忍耐も限界にまで達しているはずです。しかし、彼らはトランプ大統領のためではなく、アメリカという国家のために奉仕するという精神で、トランプ大統領に仕えているのでしょう。
これは、ある意味悲劇です。しかし、その一方で、トランプ大統領への攻撃は用意ではありません。モラー特別検察官にせよ、なかなかトランプ大統領にまで捜査が及んでいません。おそらくは問題になるようなことはなかったのでしょうが、大統領の資質を問うことはできません。
そして、トランプ大統領は、数々の貿易交渉で一定の成果は上げており、なかなか突き崩すのは困難です。たとえ、支持率がどれだけ下がろうと、議会制民主主義ではないので、あと2年は大統領にとどまり続けることでしょう。
それでも、あえて、トランプ大統領の弱点、もしくは墓穴となりそうな事柄をあげれば、昨今の異常気象でしょう。現在アメリカ東海岸を巨大ハリケーンが襲っていますが、今回の被害も大きなものになりそうです。そして、今回で終わりということにはならないでしょう。今後何度も巨大ハリケーンや竜巻、それに干ばつなどでアメリカは苦しめられることになります。そこで、トランプ大統領は語るべき言葉を持たないのです。ニューヨークの不動産業者には思いもつかないことかもしれませんが、大規模な自然災害に対応するにはそれなりの準備が必要です。しかし、その肝心の準備が十分に行われていません。FEMAの予算が不正に移民対策に流用されていたというのが良い例でしょう。
一言で言えば、トランプ大統領は、神様に嫌われるかもしれません。そしてそのときが致命傷となるのです。